推しくんと付き合っちゃった話 【 ころん 】

231推しくん ページ33

.


先日久しぶりに実家に帰った。

私の使っていた自室はまだちゃんと残っていて学生時代に使ってた制服も鞄も机も全部そのままだった。

懐かしさに思い浸ってると母からあるものを貰った。

少し埃臭いアルバム
ピンク色の表紙には私の名前があった。

母は几帳面な人だから写真を撮ってはアルバムにしてくれていたらしい。


「 アルバム？え、これAの小さい時！？ 」

『 そうみたい。みて、これ生まれたばっかの時！ 』


私が赤ん坊の時から始まり 高三の卒業式の写真で終わっている。

大学生になってからはあまり家族との時間が取れてなかったから写真が無いんだと思う。


「 ちっちゃい時から可愛い。手小さいね 」

パラパラと彼がページをめくる。

この頃の記憶は私には無いけど写真で見る私はいつも楽しそう。

彼に小さい時の自分を知られるって少しこそばゆいね

『 私ずっとこの人形持ってるんだよね。小学生まで肌身離さず持ってたの 』

ピンクのうさぎの人形

うさぎさんが好きなのは昔から同じようだ。


「 ええ、女の子って感じする。ずっとかわいい、見てて飽きない 」

『 あんまじっと見ないでよね 』

恥ずかしくて 少し赤くなっちゃった頬を両手で隠した。


.

232推しくん→←230推しくん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す