ただ、あまい 【 るぅと 】

＃６６ ページ18

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学校に着いた頃には 人だかりが出来ていて大賑わいだった。


いい匂いもするし、楽しそうな声もする。


「 んー、まずどこ行きます？おなかすいたよね 」


文化祭だから〜って朝ご飯抜いてきちゃったからだいぶ空腹。

まずはなにか食べようってパンフレット片手に学校を歩き回る。


「 そうだ、さとみくん達のクラスってホットドックだったよね、行こ〜！ 」


『 あ、うん！！ 』


彼の目がいつも以上にキラキラしてて、普段からちょっぴり無気力な彼だから珍しくてわたしも少し嬉しい

手をぎゅっと握られたまま走るから、周りから冷やかすような声が聞こえる。

恥ずかしくて、なんだか前が見れない。


「 二人ともいらっしゃーい。ほい、メニュー 」

目の前には おしゃれな制服をきちっと着こなしたさとみ先輩が立っていた。

流石イケメン、こういう服も良く似合う。


「 ただのホットドックなのに、こんなにメニューあるんだ。…どーする？ 」


『 私はシンプルなのでいいかなあ。あと、オレンジジュース 』


今日は僕が奢るよ〜って珍しく太っ腹だ。

彼はなかなか折れない人間だから静かに頷くことしか出来ない。


「 はいどーぞ。…さとみくん、あとの二人は？ 」

「 ジェルは寝坊、なーくんは午後から 」


自分から質問したくせにあまり興味無さそう。

それより思いの外 美味しくて頬が落ちそう。


「 ふふ、おいしーの？幸せそうな顔してる 」

『 おいしい、また明日も来るね 』


明日は、別の相手と来ます。



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