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病院の駐車場に車を止め、左隣りを見るとまた腕を掻いていた。
「光、腕掻くのはやめときなよ。治りにくくなっちゃう」
「ムリ。めっちゃ痒いもん」
そう言っても聞かない光の手を掴む。
「だめ。我慢して」
「やめて…あー、痒い…離して！」
痒みが相当強いのか、眉間にしわを寄せる光。
早く何とかしないと…
「じゃあ、離すけど掻かないでね。診察室行ったらすぐ冷やしてあげるから」
そう言って手を離すと、両手の拳を握りしめて痒いのを我慢している。
車を降りて、今日は午後診が休みの外来の診察室に入った。
ちなみに、皮膚科の知識にはあまり自信がない。
だから、寝ていた大ちゃんには悪いけど、無理やり起こして連れてきた。
「いいの？勝手に使っちゃって」
と、診察室に入るや否や寝ぼけ顔の大ちゃんが言う。
「大丈夫。ここ俺が使ってる診察室だから。一応、先輩にも電話で確認したし」
そう言うと、納得したような顔をした大ちゃん。黙って着いて来た光の手を引いて診察用のベッドに隣同士で座った。
「氷持ってくるから、ちょっと待ってて」
急いで氷を袋に詰めて持っていく。
「はい、これ当てて。大ちゃんは反対の腕ね」
氷を当てた光は痒みから解放されたのか、表情が和らぐ。
「痒いのどう？」
「ん。だいぶマシ」
「よかった。じゃあ、喉診るから口開けて？」
そう言うと、何だかんだと言い訳をして素直に開けてくれない光。
やっぱり今日も例外ではないか(笑)
「喉はもう痒くないから、いいよ」
「わかってるよ。ほら、あーって大きく開けて？」
いつも通りを装ってる光だけど、既にバレバレだから。目の前で話してるのに、さっきから目が一切合わない。
そんな時頼りになるのが大ちゃん。
片手で氷を光の腕に当てたまま、器用にベッドに上がって後ろに回り、空いている片方の手で光の目をふわっと覆って、そのまま頭を後ろに引いて上を向かせた。
「光〜、大丈夫だからお口おっきく開けてみよ？」
大ちゃん独特の優しい空気に包まれる｡
すると、光もゆっくりと小さいけど口を開けてくれた。
舌圧子で抑えてライトを照らす。
パっと診たところ、赤くなっているところも腫れているところも無い。
「うん。大丈夫だね」
下を向いてゴホゴホと咳き込む光の頭を撫でる。
ふと大ちゃんと目が合って「寝かせる？」と聞いてきたので、頷いた。
他に発疹が出てないか診ないとね。
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TT(プロフ) - ♪尾曲がりニャンコ♪さん» ご意見ありがとうございます。応援、励みになります♪ (2017年3月4日 10時) (
レス) id: a5409a49a2 (このIDを非表示/違反報告)
♪尾曲がりニャンコ♪(プロフ) - 作者さんが分かりやすく書いてくれてるので、今のままで大丈夫だと思います！更新ファイトです！ (2017年3月3日 11時) (レス) id: 79d67a7ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TT | 作成日時：2017年2月25日 0時
