目覚めた先の地獄 ページ32
とても嫌な夢を見た。
飛び起きたAの体は汗でぐっしょり濡れていて、Aは額に伝う汗を服の袖で拭う。居心地のいい夢。今の自分には、あまりにも残酷な悪夢。
しかし所詮は泡沫。
夢の記憶等、起きて数分も経てば徐々に薄れていく。体に残る冷たい汗の感触は未だに消えないが、Aに魅せていた夢を彼女はもう思い出せない。どんな夢を見てたんだっけ？Aは頭を抱えて考えるも、それを結論づけるものは出てこなかった。
悪夢、それ以外わからない。
Aはパジャマを洗濯機に脱ぎ捨て、いつものパーカーとシャツの姿に着替えた。少し、夜風にあたりに行こう。彼女はお気に入りのスニーカーを履いて外へ出る。外は思ったよりも冷えている。ひんやりと冷たい風が頬を撫で、Aは身震いをした。もっと暖かい格好で来るべきだったか。特にどこかに行く訳でもないが、Aは何となく。前に草薙の話していたスターダストロードのことを思い出した。前に数回、三人で店を出した日にそれとなく確認したが、見れはしなかった。Aはせめてあの場所から夜明けが見れるといいと駆け足で坂を登る。
冷たい風に負けそうになりながらも、何とかたどり着いた先。深く暗い海がAを歓迎する…、その一歩手前。こんな時間に先客か。A以外の姿がそこに佇んでいた。
｢あ、れ…？｣
｢どうも、こんな時間にお一人ですか？｣
｢え、えぇ…こんばんは。今日は一人です。気まぐれでここに来たんですけど…まさか人に会うとは……｣
街頭だけが辺りを照らす真っ暗なそこ。暗くてもわかる、白髪の艶やかな髪が風で揺れた。Aは彼の隣に並び、挨拶を返す。この方は翔一さんの店に通ってくれている常連さん。名前を聞いたことはないが、Cafe Nagiでも、会えば会釈はするのでそれなりに素性は知っている。というか、彼はこの近くに住んでいるのだから、彼が夜遅くにここにいても疑わしいことなど何一つない。寧ろ私の方が夜中にこんなとこまで来て不審者だ。Aは沈黙が辛い、と口を開いた。
｢気分転換ついでに日の出でも見ようと思ってきたんですけど…ここから見える日の出って綺麗だったりします？｣
｢はは、どうでしょう。僕は見慣れてますからね…。でも、Den Cityの中では一番だと思いますよ｣
｢なら、見に来たかいがありますね！お兄さんはスターダストロードとかって……｣
蓋を開ければなんてことは無い。小さな話題から二人は次々と話に花を咲かせて言った。
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遊真 - これから主人公がどうなっていくのかが凄く気になります！これからも頑張ってください！ (2019年8月14日 16時) (
レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - しゅりんぷさんの作品、早く読みたいです！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: cfdd277789 (このIDを非表示/違反報告)
篝月(プロフ) - 初めから読んだので、続きが凄く気になります！ (2019年5月24日 23時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 白哉さん» コメントありがとうございます。ソウルバーナーいいですよね。いつか二人も出せるようにしたいなとは思っております。それまでどうかこの小説とお付き合い願えたら嬉しいです。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
白哉 - できたら穂村尊とフレイム(ソウルバーナー)を出してほしいです。 (2019年1月20日 17時) (レス) id: 8418d83dca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅりんぷ | 作成日時：2017年12月13日 0時
