【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ２【藤木遊作】

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絶対的な危機的状況に二人が大きく息を呑んだ。Dボードを風の吹く方向へと走らせる。スピードデュエル自体、した事がない燕青にこの状況はかなり酷で、自分の運動神経でぎりぎり体を補えば、後ろからやってくる気配に焦りを見せた。

｢っ、デュエリスト？｣

｢こいつら、まさかソルテクノロジーが最近作り上げてるAIデュエリストじゃ…！｣

｢ソルテクノロジーはこんなものまで…｣

燕青とAiが大きく動揺を見せ、Play makerもいつもより、焦っている。三体のAIデュエリストが二人を囲み、排除を試みようとデュエルを仕掛けてきた。三対二、分が悪すぎるにも程がある。Aiが怒りを示すと同時に燕青も苦戦を覚悟した。

｢燕青、お前デュエルは…｣

｢前にも言っただろ。僕は出来ないわけじゃない、しないだけ｣

｢……結局俺が三体か｣

｢一体くらい相手できるわ！Play maker、君には教えてなかったけど。僕のデッキは、



サイバースだ！！｣


燕青が、ディスクを構えてプロトAとデュエルを始めると、Play makerとは違うルートへとDボードを進める。彼もまた、一体を振り切って、もう一体とデュエルを開始している様で草薙がAの方に声をかけた。

『お前、デュエルなんてやった事あるのか！？』

｢わかんない。けど、体が覚えてる…これはきっと…、｣


私の失くした記憶。

なぜ自分が、サイバース等と希少なカードを持っているかもわからない。彼と同じデッキ、これがきっと何かに関係しているのはわかる。

Aは自分のターンだとカードを引いて、デュエルを進めていく。相手のカード破壊デッキは、厄介だ…だけど勝てないわけじゃない。墓地に送られていくカードを見て、Aはにやりと笑った。

｢生憎、ババ抜きは得意でね！｣

逆に弱すぎる彼のことを脳裏に浮かべて、心配という言葉が頭に残る。燕青が頭を振って、集中だと前を向けば、今度は足元を救われた。

｢わっ！？｣

Play makerが巻いたはずのもう一人のAIデュエリストが燕青のDボードへとぶつかってくる。どうやら、目をつけたのは彼への方らしい。やばい、そう思った時だった。

｢一人に二人は卑怯なんじゃない？｣

可憐な声が耳に届いた。

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