Love Story &yuta2 (ページ30)

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哀しいkiss 13 ページ30

裕「……」

言葉を失った

何かいい言い訳をしなきゃ、って思うのに
喉の奥が、カラカラに乾いてて全然開かなくて
心臓がばくばく鳴ってる

気づかなかった、太輔が、俺を見ていたことに。

気をつけていたはずなのに

平常を装っていたはずなのに

太輔は、確信を持ってる

こんな風に言ってくるってことは、
見ていたのは、きっと一度や二度じゃない

こんなに、はっきり…しっかり…
俺の全てを見透かしてる

太「ごめ、こんな話…」

太「大きなお世話だよな、お互いオトナなのに…」

裕「いや…そんな…」

絞りだすように返事をしたけど、動揺を隠せない

太「たださ、水くさいなと思って…」

裕「え…」

太「ほら、」

太「今までは、すぐ教えてくれたじゃん…
そういうの…」

太輔が、言葉を選びながら、低い声でゆっくり話す

裕「……」

太「あんま詳しくじゃないけどさ…」

太「こういう女性なんだ、とか…」

太「こんな風にして出逢ったんだ、とか…」

裕「……」

太「普段は、宮とかとふざけてんのにさ
そういう話は、俺に一番にしてくれたじゃん」

.

.

太「だから、さ…なんか…笑」

太「寂しくなってこっちから聞いてみた…」

太「余計なお世話だな、笑」

俺を不愉快にしないようにと、気を遣いながら
言葉を選んで話してくれる太輔

優しくて…気配りやで…思いやりがある太輔

オトナな太輔

.

.

.

太輔に隠し事なんて出来る訳なかったんだ

ずっと…
10年以上一緒にいて互いを見て来て…

しかも、感受性の強い太輔が、気づかない訳がない

.

.

もう…隠せない、そう思った

これ以上は、嘘はつけない、そう覚悟を決めた

.

.

.

いつかは…話さなきゃいけない事なんだ