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諦め ページ49
本当に私のコトを好きなら…
このまま帰して…
その言葉が、頭の中をぐるぐる回る
真っ直ぐ俺を見つめたAちゃんの瞳
その瞳は、一度車の中で見せた拒絶の表情とは
明らかに違う
俺に惹かれ始めた瞳
俺に気持ちを持ち始めた瞳
君も、俺と同じように恋をしてる
俺を好きになり始めてる
それなのに…？
「帰して…」
ふらつき、手首の包帯を庇いながら
歩き始めたAちゃん
俺は…どうしたら…
君も俺を想い始めてるのは、間違いないのに
このまま君をこの部屋に留めて、このソファベットに沈めて、思いを遂げれば…
君は絶対俺のものになるのに…
諦めなきゃいけないの？
裕「Aちゃん…」
伸ばした手が空を切る
テーブルに手を添えながら、ふらふらと入り口ドアに向かう君
「帰らなきゃ…」
ふらり…傾いた身体を抱きとめる
裕「大丈夫！？」
.
,
.
俺の腕に抱き止められたAちゃんの目が
俺を見つめ、
ついさっき重ねた唇が、小さく震えてる
「……して…」
？
「…離し…て…」
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作者名：トウコ
| 作成日時：2019年5月12日 16時
