哀しいkiss 3 (ページ32)

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太輔side

「…ん、」

「……？」

太「A！！」

太「A、大丈夫！？」

「…？……太？」

「…え、？」

太「ごめん、ごめんね、俺が…！」

「…何のこと…？」

？

A？

「やだ、私…濡…れてる…どうして？」

？

え…

太「覚えて…ないの？」

「…もしかして…」

「倒れちゃったの？」

太「あ、…と…」

何て、答えれば…

「それに、太輔仕事は？これから？」

太「仕事、って…」

何？

やっぱり…もしかして…

「それともお休み？」

状況が飲み込めなくて、何て答えるべきなのか
わからない

「…ッ」

歪んだ顔と、首筋に充てがわれた指先

「痛…い、」

視線の先には、
寝室にあるドレッサーに映ったA

「や、だ…これ…」

太「ごめ…」

これで全て思い出した？
俺と君の間にあったこと、俺が君にしたこと
全て…

「…太輔たら…」

また…君に嫌われてしまう

また、君を失ってしまう

「…やだ、…」

ぽっと、赤らんだ頬とはにかんだ笑顔

「恥ずかしいよ…」

え…

「これじゃ、外に出れないね…」

「……笑…」

え…

Aもしかして、本当に何も覚えてないの？

「もしかして…気を失ったの？」

「…途中で？」

「…だから…太輔がシャワーしてくれたの？」

「そうなの？」

恥じらうように、小さな声で
でも、はっきり…問いただす君

そうだよね、何があったか、本当のこと
知りたいよね

「太輔？」

.

.

君は…半年前に俺とは別れたんだよ

今、君がここにいるのは俺が、君を引き止めたから
君が出て行ったら、死…ぬって脅…したから
君は、俺を愛してる訳じゃない
その首筋の印だって…愛し合った証じゃない
俺が無理矢理…

そう言ったら…
俺は君を失うのかな

事実を伝えたら
きっと君を失うよね

.

.

.

それは…嫌だ

太「笑…」

太「ちょっと激し過ぎたみたいでさ…」

太「ごめん…、笑…」

「…太…輔ったら…」

太「だって、好きで好きで堪らないんだもん
しょうがないじゃん」

「…笑、」

太「Aだってそうでしょ？」

「…ふふ…」

太「ねぇ？」

「…ん、私も…好き…大好きだよ…」