哀しいkiss 3 (ページ4)

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裕太side

何をどう言って電話を切ったのか
記憶は吹っ飛んでる

Aは…きっとガヤと一緒にいる

どこに？

病院？

それとも…あの部屋？

確かにガヤは、ずっと調子が悪そうだった
食欲もなくて、夜も寝てないみたいで…
でも、それは仕事が忙しいせいだと思ってた

福岡でのライブの時だって
後輩と一緒に夕飯食べに行ったりしてた
元気そうだったのに

.

.

まだ…Aに未練があったんだろうか
別れて半年も経つのに…

早朝…店に行くなんて

何か、手がかり

誰に聞けば

.

.

ふと、渉の顔が浮かんだ

確か今日、ガヤに鯛茶漬け作ってやるとか
言ってた気がする

渉なら何か知ってるかも知れない

でも、
俺とAの事はメンバーの誰も知らない
勿論、渉も。

何て切り出す？
出来ることなら、二人の関係はバレたくない

バレれば、Aは俺とガヤの前から
姿を消してしまいそうな気がする

うまく聞き出さなきゃ…

.

.

.

渉に直接電話して、鯛茶漬けの作り方を聞くふりをした

最初は、夜中の電話に怪訝そうな声だったけど
得意な料理のことを聞かれて、すぐにその
違和感を忘れたようだった

裕「で、ガヤにも作ってあげたの？」
ひと通り話が終わってから聞いた

ーあ、それがさ、太輔倒れちゃって

裕「え！？」
初めて聞いたように大袈裟に驚いた

ーあ、でももう大丈夫そう

裕「何それ、どういうこと？」

ー入院とかじゃないから

裕「でも、一人じゃ心配じゃん」

ーそうなんだよ、だから俺が行こうか、って聞いたら…太輔が大丈夫、って言うんだよ

裕「え？」
嫌な予感がする…
俺の想像した最悪の予想

ー大丈夫だ、って

裕「？」

ー 1人じゃないらしいんだ
彼女…Aちゃんが一緒にいる…