with PROOF-2nd- (ページ17)

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Kj「先ほども言いましたが、俺らはカスピソール国出身です。この村にいるほとんどの人がそうで、俺らは選ばれてここにいます。」

Ab「選ばれて？」

コージが自分たちの話を始めた。
あれから、コージの話をじっくり聞かせてもらおうとみんなで真ん中の机を囲みながら円になった。

Kj「はい。俺たちがジャマスティエスのみなさんに警戒してしまうことにはちゃんと意味があって、、、まぁ、それが"選ばれる"につながってくるんやけど。」

コージは唇を噛み締める。
俺には手が震えているように感じた。
そばにいたサクマがコージの肩にそっと手をおく。

Nb「選ばれるって、なに？」
Kj「やっぱり、あんまり知られてはないことなんやなぁ、、、。簡単に言うと、ジャマスティエスに戦争で負けた俺らカスピソール国の人間は支配地として軍事力に強制的にかりだされるんです。自分からこの地に踏み入れるんじゃなくて、勝手に。誘拐されて気づいたらここにいました。ここにいるみんなそうです。」
Ab「誘拐、、、？」

俺はびっくりしてから悲しくなる。
俺たちの国がそんな、卑劣なことを。

Kj「選ばれる日はわかりません。選ばれる基準もわかりません。選ばれた人はここに誰一人戻ってこやん、外で何をしてるのか、そんなんは全くわからん。やから、みんなそれに怯えてびくびくしとる。せやのに、俺、、、。」

コージの目から涙が溢れてくる。
自分の手で、流れてくるものを必死に止めていた。

Kj「俺、ここにきてかなり経つんです。いっこうにえらばれん。でも、俺の周りの人がどんどん選ばれてくんですよ、、、。最近ではそれが不可解に思えてきて、、、。俺の魔法のせいかなとか、かばってくれてんのかな、とか。まぁ、確実ではないんやけどね。」

コージは飾ってある写真を見て、目を伏せる。
写真には沢山の人が写っていた。
軍事的なことがあって写っているのは小さくても大きくても男だけ。
村が変と思ったのはそれもあるのかもしれない。

Kj「これが、このカスピ村の実態。みなさんを避けてしまう理由です。」

俺の住んでいた国の裏。
それを知って途端に苦しくなる。
知らずに生きていた自分が憎い。
コージに対して申し訳ないと感じる。

Ab「、、、王に仕えていた俺さえ知らなかった実態、、、放って置けない。」
Kj「俺たちにとっては、もはや運命やから、、。そうやって言ってくれるだけおおきに。」

コージは泣き腫らした目をしながらにっと笑った。