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『だから、好きにしなよって言ってるの』

「アンタ、それマジで言ってるのか?」

『マジだよ。嘘なりなんなり広めればいい』

脅しに従わない私を見て開いた口が塞がらない彼は、ありえないと言った表情で私を見ていた。

『そんな嘘の弱みを握ったつもりで居る貴方に、私が従うと思った?嫌な事に絶望の縁に立たされるのは慣れてるんだよね。だからその分そこからの脱出方法も分かる』

「先生も教師としてここに居られなくなる上に、アンタは有りもしない嘘のレッテルを貼られるんだぞ…?」

『先を見すえて大切な事をあなた達に伝えようとしてる先生はこんな事で折れないし、私はなんと言われようが痛くも痒くもない。』

目の前の彼の顔に思いっきり笑いながら言ってやる。立場的に有利な場所に立ち、立場的弱者を操ろうとする者は、操る方法に囚われすぎてその弱者がどんな武器を持っているかなんて見ていないのだ。だから命令に背き、反撃してくる弱者に対しての防御方法もない。

そうなると次は何をして制御してこようとするのか、それは決まって力だった。要するに暴力。

「ふざけんなよ…」

私の胸ぐらを掴んで、元々近いのにさらに引き寄せられる。体が持ち上がり、座っていた椅子は倒れて音を立てた。彼は腕を振りかぶり、拳をこちらに向けて振り下ろす。痛みに備えて反射で目を瞑る。でも痛みは何時になっても襲ってこなかった。代わりに感じたのは暖かい感触

「お前ら何してんだ」

「…あんたこそ何しに来た」

そこには私を抱き寄せ、護るように前に立ってくれている先生が居た。その左手は里見君の拳を受け止めている。彼は先生が強いのを1日目2日目を通して知って居た。その手を下ろし、それから後は何もしてこない

「生徒達が話し合っているのは充分にいい事であるが、暴力は良くない。止めに入っただけだ」

「その先生面、いつまで続くんだ?どうせ聴いてたんだろ、俺達の会話」

先生はそれを肯定した。勿論私もそれは分かっていながらの会話だった。先生が聞いていることで少しの牽制になると思ったのだ。まぁ、それは全くの失敗に終わったのだけれど

「俺があの事を言いふらせば、皆がどういう態度を示すかは分かってるだろ?」

「なるほどな。俺らは教室に居られなくなるってわけだ。」

そこまで言って先生は深い溜息を着いた。その瞬間、先生の雰囲気が変わる。

「昨日の俺の授業はなんにもお前に伝わってなかったという事だな」

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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年8月20日 18時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎(プロフ) - 初めまして!柊一颯落ちで物凄く嬉しいです!!更新待っています!これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 21時) (レス) id: bdaf0ebad8 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - しろごめさん» ありがとうございます!柊先生オチです(≧ω≦)bこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2019年3月16日 8時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
しろごめ(プロフ) - コメント失礼します!ぶっきー落ちと聞いて見に来ました!笑更新頑張ってください、応援してます!!(*´∀`*) (2019年3月15日 23時) (レス) id: f6e80c062e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くすさな x他1人 | 作成日時:2019年3月14日 23時

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