ピースサイン（米津玄師） (ページ40)

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理由35 ページ40

サヤsaid

サヤ「あー。上手く当たらない」

玄師「何が欲しいの？」

サヤ「可愛いなって思ったあの置物」

玄師「あぁ、あれか」

私はお菓子を1つを手に入れたけど、いいなって思った置物が落ちなくてちょっと不服。
そして、玄師くんの射的の番になった。

玄師「分かった。取ってあげる。サヤ、見ててね？」

サヤ「ほぇ？」

そう言って玄師くんの眼はしっかりと置物を捕らえて銃を構えた。
有り得ないくらいに玉がその置物に命中する。
開いた口が塞がらないとはこの事だろうか。
それから玄師くんは隣にあった置物も落としてお菓子とかも落としていった。

サヤ「す、凄い…」

玄師「はい、サヤにあげる」

サヤ「ありがとう。なんで取れるの？」

玄師「ん？秘密だよ」

そう言って人差し指を口に当てて悪戯に笑う玄師くんを不覚にも格好良いと思ってしまった。
射的屋さんのおばちゃんも目が点になってたよ、玄師くん。

そんなこんなで祭りを楽しんだらあっという間に空が暗くなっていた。
それを見ていたら玄師くんがまた手を握って「ほら、はぐれちゃうよ？」って言って手を引いてくれた。

私は頷いて手をしっかり握った。
繋がれた手は優しさが溢れていた。

玄師「ちょっと早いけどそろそろ秘密基地行こうか？」

サヤ「そうだね、行こう」

転ばないように私のテンポに合わせて歩いてくれていることに気づいた。
そういう優しい所が好きになったのかもねって1人で思った。
私と玄師くんは秘密基地の方に足を進めた。

玄師「そこ、段差あるから気をつけてね？」

サヤ「ありがとう。あれ？いつもと行き方違うね？」

玄師「サヤ、下駄と浴衣だから出来るだけ歩きやすい道にしようと思って」

サヤ「そうなんだ、優しいね」

そう言いながら玄師くんは私の手をしっかり握って転ばないようにしてくれていた。
そして、やっと秘密基地に着いた。