ピースサイン（米津玄師） (ページ36)

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理由32 ページ36

サヤsaid

きっとこれで当分逢えなくなるんだ。

サヤ「…玄師くん、起きて！」

玄師「…サヤ、まだ寝てたい」

最後の夏休み。
こうやって玄師くんを起こすことも。
こんな日常だと思ってた事も出来なくなるんだよね。

サヤ「…また抱き枕にする」

玄師「…ふふっ…あれ？今日は言ってこないんだね」

サヤ「たまには良いかなって」

玄師「…変なサヤ。まぁいいけど」

なんか照れてない？
でも、ちゃんとギュッてするのが玄師くんらしい。
今日は離さないで欲しいなっなんて思う私はやっぱり変なのかな。

サヤ「プニプニしてくるのは止めて…」

玄師「だって、気持ちいんだもん」

サヤ「そういう所は子供っぽい」

玄師「だって子供だよ？」

明日世界が滅亡するとかそういう事は信じないのにこういう無邪気な所がある玄師くん。
そういう所も好きになった私。

玄師「サヤ、いやなの？」

サヤ「そんなことない！けど…」

玄師「…そっか。ふふっ」

何度このやり取りをしたのだろう。
1度もいやなんて思わなかった。
そうやって笑う玄師くんを何回見れたんだろう。

玄師「…そういえば、今日の花火大会行く？」

サヤ「…花火、大会？」

玄師「うん、お祭りがあって夜の8時に花火が上がるの」

サヤ「それは知ってるけど。今日だっけ？」

今日、花火大会があるなんて知らなかった。
毎年玄師くんとお祭りに行って８時になる前に秘密基地に行って2人で夜空に咲く花火を観ていた。

玄師「うん、今日だよ。また秘密基地で2人で観ようよ」

サヤ「いいよ。行こう」

玄師「サヤならそういうと思った」

サヤ「断るわけないじゃん」

きっと玄師くんと秘密基地で観る最後の花火になるのかな。
きっと最後の夏休み。

サヤ「…浴衣着て行こうかな？」

玄師「うん、楽しみにしてるよ」

夏ってなんでこんなに切ないんだろう。