ピースサイン（米津玄師）2

お返しのお返し ページ3

玄師side

彼女に描いた絵は過去の君に向けたお返し。
だけど、それを考えていたのは俺だけじゃなかったみたいだ。

サヤと絵を交換してチラッと様子を伺うと泣きそうなでも、嬉しそうな顔をしていてその姿を見て愛おしいなと感じた。

サヤは何を描いたんだろう。
そう思い貰った絵を見る。


玄師「…サヤ、ちゃんと覚えてたんだね」

サヤ「勿論だよ。忘れる事なんて出来ないよ」

玄師「ピースサイン。子供の頃の俺が描いたのを思い出して描いたんでしょ？」

サヤ「うん、そうだよ。私も玄師くんの絵へのお返しなの」

その絵は大人になった2人がピースサインを掲げて笑顔で笑っている…いや、泣き跡があるから泣き笑いに近い姿があった。

平和と幸せ。
もう二度と離したくないなと思う日々。
それをもがいてでももう失いたくないんだ。


サヤ「…玄師くん？どうしたの？」

玄師「何でもないよ。サヤ、ありがとう」

サヤ「こちらこそありがとね。玄師くん」

こうやって2人、泣き笑い繰り返して。
何度でも足掻いて笑っていこう。


例えまた目を腫らした君が悲しまないように笑えるそんなヒーローになるための歌を作るから。
どんな未来で盗み描いて他愛のない話をして夜を明かそう。
捻りなんてなくていいそんなストーリーを。

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