42話 ページ42
とりあえず、紫耀のこともっと知りたいって思ったから、急だとはわかっていたけど連絡した。
本当に久しぶりに会う紫耀とうまく話せるか心配だった。
紫｢本当にお邪魔していいの？｣
『この前私がお邪魔させてもらったし、芸能人だから外だとちゃんと話せないかなって思って。』
紫｢ありがとう…。｣
翌日、私は紫耀を家に呼んだ。
男の人を家にあげるのはこれで3回目だ。
1回は、この前廉を泊まらせた。
そして、もう1回は、
家の前で耐えられなくなって一人で泣いていた私に
｢なんで泣いてるの？｣
って声をかけてきてくれた彼。制服を着てたから多分高校生だったはず。
｢悲しい時は誰かに話すのが一番だよ？｣
初めて会うのにやけに馴れ馴れしくて、でもこの気持ちを誰かに聞いてもらいたい気持ちが強かった。
｢じゃあ家ん中で話そ？｣
今考えたら、初めて会うのに家に入れろなんて言うのは変な人だし、絶対に入れちゃダメなのに、その時の私はとりあえずひとりが嫌で、
『…いいよ。』
と言ってしまっていた。
名前も覚えていない。たったの1回会っただけだったから。
何を話したのかも覚えていない。でも、彼と話して心が軽くなったのは覚えている。
顔も名前も覚えてないけど、ずっと忘れられないんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べ に 子 | 作成日時：2018年12月19日 22時
