俺らが守るから (ページ23)

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🐶side

Aは男性恐怖症を患っている。原因はここに来るまでの間、父親に相当な暴力を振るわれてきたかららしい。初対面の男性を前にすると極度の緊張状態からパニックを起こして過呼吸になってしまうんだ。過呼吸で済めばいい方で、下手に体に触れたり近づけば自分で呼吸を止めて呼吸困難、あるいはショック状態にまでなる。

今回も研修医が体温を測ろうと近づいた時に発作が起こった。こうなると正直俺らでも対処できない。唯一Aを落ち着かせられるのがアサヒなんだ。逆に言うと、アサヒ以外は誰1人として受け付けない。無理に処置しようとすればパニックで息ができなくなる子なんだ、Aは。

入院当初、初めましての挨拶をしようとAに近づいたときも発作が起きた。俺はその時、発作を止めようと強引に点滴をしようとしてAの気を失わせたこともある。そのくらい重度の男性恐怖症。

🐶「だから、研修中は下手にAに近づかないで欲しい。アサヒが抱っこしてる状態で徐々に慣らしていくから」

👨「抱っこ…ですか？」

🤖「うん、俺が抱っこしてる状態ならなんとかパニックにならずに済むみたいなんだよね笑。それで時間をかけてゆっくりゆっくり慣れていく感じになるかな。みんなも最初はそうやって来たから」

👨「そうなんですね」

🦋「もしパニック起こしたら誰でもいいからすぐ連絡してね。長引くと心臓に負担かけるし。あの子心臓弱いから」

👨「はい、わかりました」

それから数週間、最初はAに拒絶されながらもなんとかパニックが出ないくらいにまで持っていった。ギャン泣きして怖がるAをわざとジョンヒョンくんに会わせるのはこっちもメンタルやられたけど、研修医の子もあそこまで嫌がられると流石にきつかっただろうな…笑。まぁ、そんなAを強引に抱っこして連れて行かないといけないアサヒが1番メンタルやられてたけど

🤖「ヒョン、今日やっとAがジョンヒョンくんに会っても泣かなくなった…(涙)」

🐶「ほんとに？！それはよかった。毎度毎度お疲れ様だったね笑」

🤖「ほんとですよ。毎回毎回無理やりAを彼のところに連れて行って泣かせる日々だったんですから笑。はぁー、流石にしんどかった」