わたし、この力でみんなを守りたいの！

わたしの使命 ページ3

「われわれ未東家と藤井家は、千年以上も前から、代々まほうで、人々を救ってきました。われわれには、敵がいるのです。それも、人間同士の争いで生まれた敵。放っておけば、人間を襲ってしまいます。ですからわれわれには、その敵から人間を守るという、重大な使命があるのです。
藤井家は、まほうの力でその敵を倒していく。そして未東家は、『お嬢さま』である藤井家をサポートするんです。
……とまぁ、説明はこんな感じですかね。分かっていただけましたか？」

わたしは彼の話に、ぽっか〜ん。

開いた口がふさがらない。

「千年以上も前から、そんな大変なことやってたんだ……。
で、でもっ、それをわたしが！？」

「そうです。あなたには、その使命があります」

そんな……。

そんな大変なことを、この平凡すぎるわたしが……？

「む、無理だよっ！第一わたし、まほうのやり方なんて分かんないし……！」

慌てるわたしだけど、彼はいたって冷静だ。

「それは大丈夫です。おれが教えますので」

「そ、そんなこと言ったって……。そもそも、未東くん……？は、たぶん同級生だよね？子供だけでできるわけないじゃんっ！」

「修也でいいですよ。たしかにおれは、お嬢さま――藤井未優と同級生だけど。おれたちしか、できねぇことなんだよな。それにおれ、修行してるから。だいじょうぶ」

なんか急にタメ口になったしっ！

っていうか！！

「修行！？そんなことやってたの！？」

「ああ。それもすっっごく大変な」

そーなんだ……。

『お嬢さま』のわたしなんかのために、そんな大変なことを……。

つい顔が下を向いちゃう。

いっぺんにいろんなことを聞いたから、頭がクラクラする。

わたしが、まほうで悪いヤツを倒していく……。

知らなかったけど、わたしには、そんな大事な使命があった……。

聞くからにすっごく大変そうだけど、でも……！

わたしがその悪いヤツを倒さないと、みんなが危険になっちゃう。

みんなを守れるなら、守りたい。

――わたしは、キッと顔を上げた。


「修也。わたし、やる。みんなを守りたい。そのまほうのやつ、やらせて」


わたしの決意をこめたシンケンな目に、彼はパアァッと顔を輝かせた。

「やってくれるのか！？ 未優！！」

「うん。やってあげてもいいよ」

……あれ。

キッパリ「やる」って言ったのに、なんか上から目線になっちゃった。

けど、修也はぜんぜんそんなこと気にしない。

「お嬢さま。やってくれるんですねっ」

シッポをブンブン振ってる犬みたい(笑)

「あっ、やべ！」

正義のまほうコンビ誕生！！→←なにごと！？

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