うさぎ姫 2 (ページ11)

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#58 ページ11

佐久間side

『さっくーーーーーーん！』

佐久間「A～～～！」

俺らは絶対廊下で会ったらこうやってするんだ～笑

『………！さっくん！もしかして洗剤かシャンプー変えた？」』

佐久間「え！？」

めっちゃびっくりした。丁度昨日から柔軟剤が切れて買いに行ったけどいつものが無くて違う香りのやつに変えたばかりだったから。

佐久間「よく分かったね？」

『うーーん私結構鼻敏感だからね』

京本「さっくん！！ダメだよ！Aは俺のだから！」

と言いながらきょもが向こうから走ってきてAに後ろから抱きつく。なんだ、ずるい！！

佐久間「いや違うでしょ笑」

『きょも～、さっくん柔軟剤変えたのわかる？』

京本「柔軟剤？……うーーん俺普段のさっくんが分かんないからなぁ」

佐久間「普通はわかんないよね」

『そうなのかな～？でも私みんなの服の匂いとか全部違うな～っていつも思うからな～』

京本「え、俺もわかるの？」

『わかるよ～だってこうやっていっつもくっついて来てるからすぐ分かっちゃう』

佐久間「…なんか…仲いいね」

ちょっときょもに嫉妬した俺。頑張ってした反応は物凄く雑な反応になってしまった。

京本「あ、そうだ、さっき慎太郎が探してたよ」

『え、まじで？もう順番回ってきたのかな、じゃあ行かなきゃな～バイバイさっくん～また今度ね～！！』

佐久間「おう！またねー！」

小さなため息をついて横を見ると、
笑顔でAを見送るきょも。

佐久間「…帰んねぇの？」

京本「うーん俺の撮影もう終わってるしねー」

いや普通迎えに来たなら一緒に戻るじゃん？

京本「さっくんってさ、Aのこと好き？」

佐久間「え？」

唐突なきょもからの質問。俺と2人でいる時には滅多に見せない本気の顔。あ、ガチだと察した。

佐久間「…もちろん」

京本「……そ。」

素っ気ない返事をしてまた戻っていくきょも。その姿に、俺はきょもに負けている気がして咄嗟に声が出た。

佐久間「…俺だって、きょもとか樹とか北斗とか翔太に負けないぐらい好きだから！」

きょもの歩みが止まる。ゆっくりとこちらを振り向き

京本「…それはどうかな♪」

と、笑みを浮かべてまた戻っていった。

この時、俺は思ったんだ。

ああ、きょもって本気なんだ。

3次元の恋って難しいな。