【d!】内ゲバせぇへん！？４

132話 ページ4

「…この場もまとまったことだし、総統、司令してくれへんか？」

焦燥と錯乱に滅茶苦茶になっていた幹部たちの心象は、今は真っ直ぐと通り、目の前の目的だけに向いていた。

それを見て、トントンがグルッペンを振り返る。


「…先程オスマンが言ったように、我々の現在の目的は“Aの奪還”のみだ。その為に、それぞれが出来ること、やるべきこと、奪還方法を考えていこう。

…確かに時間はない。ただ、くれぐれも焦って最悪の結果に陥らないよう気をつけよう。気を引き締めてけ」



「おう！！」

「あぁ。」

「了解！」



流石はリーダー、と言ったところか。
その言葉で、幹部たちは前を向いたようだ。


「まずはAの居場所だな。」

「確かモニター室に受信機があったはず！俺取ってくるわ！」


ロボロが会議室を飛び出す。
…と、数秒後に機械を抱えて戻ってきた。


「ただいま！」

「早っ」

「やばっ」


息も乱さずけろりとした顔で机の上に機器を置くロボロにツッコミが飛ぶ。お構いなしに、何かの操作をするホビット。


「えぇっとなぁ……Aのポインターは……ここや！」


ピッと人差し指で指されたそのポインターの場所は……


「A国！？」

「隣やん！？」


隣国、A国との国境あたりだった。



「これは……国家絡みの犯行となるとあるいは…」


“戦争”


ありえなくもないその可能性に、幹部は重々しく唇を噛み締める。


「…でも、左翼やか右翼やかしらんけど…そういう思想家集団の仕業の可能性もあるよな」

「あぁ。ま、犯人探しは後でじっくり。…な？」


きっと犯人が見つかった暁には、辺り一帯が血の海となるのだろう。


「となると、どう攻め込むかが次の議題やな」

「場所的に…地下だな。そのまま爆破させるか？」

「もうええやろそれで。考えんのめんどいわ爆破しようぜ」

「早く決めんとゾムの脳が溶けてまうっ」



頭からぷしゅ〜…と湯気を出すような仕草で机に突っ伏すゾム。どうやらお疲れの様だ。



「…まぁ、あまり迷っている時間もないしな。ここは正々堂々と正面突破でいいんじゃないか？」

「グルさん！？」


総統の無謀とも取れるような発言に、ロボロは思わず顔を上げた。
気でも触れたか。いや昔から頭は狂ってるが。



「……正気？」

「あぁ。大体、Aを取り返しに行くんやし。アイツ好みの方法がいいだろう？」


名案！とニコッと笑うグルッペン。
頭を抱えるトントン。

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