CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ ページ2
毛布をめくると其処には、見覚えのある男子生徒が横たわっていた。
眼鏡はしていないが、服装と顔付きで誰なのかはすぐに分かる。
大先生だ。
まさか死んで…？
そう思い彼の顔を覗き込むが、呼吸は規則正しい。
よかったと私は胸を撫で下ろす。
「…でも、何でこんなところで」
鍵は昨日の夜かけ忘れたのかもしれないが、それでも私と大先生の部屋は離れている。
そもそも部屋を間違えて入ってくることはないだろうし、もし間違えても彼の部屋とは内装が違ってすぐに気がつくだろう。
彼の顔を眺めながら考えていると、突然部屋の扉が開いた。
「Aちゃん！」
入って来たのはマンちゃんだった。
どうやら私の悲鳴に気が付いて来てくれたらしい。
マンちゃんは大先生を見つけるや否や、彼を叩き起こす。
「イッタッ！！」
「お前、Aちゃんの部屋で何しとんの」
「あれっ、マンちゃん…！？」
目を覚ました大先生は、何故目の前にマンちゃんがいるのか分かっていないようだった。
机に置かれた眼鏡に手を伸ばそうとするが、マンちゃんに胸倉を掴み揺らされる大先生。
彼の手は先程から机をかすってばかりいる。
私はそんな二人から目が離せないまま、のそりとベッドから降りた。
いつもは静かなはずの自室だが、今日だけはやたらと騒がしい。
マンちゃんが入って来てから扉を開け放っているせいか、扉の前には見物人が増えていく。
私は未だ着替えも終わっていない寝間着姿で二人から距離をおいた。
「まるで戦場だな」
「グルちゃん、面白がってる？」
見物人の一人である彼にそう尋ねると、彼は「理由はくだらなさそうだが、見るのは嫌いじゃない」と腕を組む。
グルちゃんは傍観者の立場が気に入っているようだ。
「お願いグルちゃん、あの二人止めてくれない？」
「やだよ、俺関係ないし」
当たり前なのだが、彼は他人事だと見ているだけだ。
そんなグルちゃんの代わりに二人を止めてくれたのは、部屋に戻ろうと通りかかった兄さんだった。
彼が来てくれなかったら、今頃私の部屋は修羅場と化していただろう。
現にベッドのシーツがぐしゃぐしゃになってしまったのは言うまでもない。
CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ→←CHAPTER 02 無意味な殺人は無意味な殺人を呼ぶ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 名無しくんさん» ご愁傷様です…(´ｰ｀;) (2019年9月23日 12時) (
レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん - 推しが…死にましたぁ…(°▽°) (2019年9月23日 11時) (レス) id: f915d9c3de (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 閑さん» はじめまして、いつも閲覧有難うございます！私も大好きで、d!様と原作者様には感謝しかないです…かたつむり更新ですが自分のペースで頑張ります！有難うございます！ (2018年12月28日 14時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
閑 - はじめまして、いつも楽しく見させて頂いてます! d!もダンロンも大好きなので主さんには本当に感謝しかないです…これからも更新など頑張ってください (2018年12月28日 14時) (レス) id: 8c1224d0db (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ@火星人☆(プロフ) - 蒼空さん» ひえええ！両方推しだったなんて！！今後名前だけでも沢山出します！！これからも閲覧お願いします！コメント有難うございます！ (2018年12月15日 17時) (レス) id: af7c01dafc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
