さようなら ページ41
そう思ったのも一瞬で
グクの表情はすぐにいつも通りに戻る。
そうして、突然リュックの中をガサガサと探り始めて、ある物を取り出した。
コンビニで売ってる小箱に入ったチョコレート。
『ん』
箱から2つ包装されたチョコを私に差し出す。
『これ食ったらイライラ収まんじゃね？』
ケラケラと笑うグクになんだかさっきまでの自分の態度が恥ずかしくなって
素直にチョコを受け取る。
「…ありがと」
『いーえ』
包装紙を剥がして、パクリとチョコを口に入れる。
じんわりと広がる甘さは確かに私の心を落ち着かせた。。
「美味しい」
そう言えば
グクは口角をあげて優しい表情をした。
また、トクン…と身体の真ん中が音を立てる。
そんな顔しないでよ。
勘違いしちゃうんだよ。
諦めたくても諦められなくなっちゃうんだよ。
『…なんでそんな顔すんの？』
向こう側から伸ばされたグクの手が
私の頬をなぞった。
ひんやりと冷たいその指に身体がビクリと反応する。
『なんか泣きそう』
そう言われてしまうと、ツン…と鼻の奥が痛くなって本当に涙が出そうなになる。
やめて…。
この人が大好きだけど、その分私はこの人といると哀しくてもうどうしようもなくなっちゃうんだ。
私は頬に添えられたグクのひんやりした手をそっと離した。
「…優しくしないでよ」
『…え？』
グクの瞳が揺れて、私を戸惑った様に見据える。
「こーいうこと彼女が居る人はやっちゃだめなの」
『何言って…』
「もう、私振り回されたくないよ」
何言ってんだろ、私。
目の前で呆然とするジョングクに取り返しのつかないことを言ってしまったんだと悟る。
「グクといると…」
一瞬躊躇った。
でも、いい機会なのかもしれない。
こんな報われない想い、早々に捨ててしまったほうが本当は良かったんだ。
「正直、疲れる」
私の気持ちがバレたかもしれない。
でも、いいや。
どうせ、ここまで言ってしまえば私なんか嫌いになってくれるだろう。
私はグクの顔を見ないで机の上を片付けて
「じゃあね」
それだけ言って、足早にその場を立ち去った。
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あ(プロフ) - これ続き消しましたか？ (2020年8月4日 2時) (
レス) id: 3dd0ee7796 (このIDを非表示/違反報告)
zin(プロフ) - 上手くいかない、もどかしい、哀しい、辛い……。本当に切ないです。でも お話に出てくる子達が主人公をはじめ、みんなイイ子で魅力的です。ミンギュ君 テヒョン君、ナイスです！やっぱり私は胸が痛くなるけど 切ないお話が大好きみたいです^^ 更新楽しみにしています。 (2017年11月4日 1時) (レス) id: f535f69715 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん - ミンギュ出てきた！ちょー嬉しい！！テテの「月が綺麗ですね」って言うのに凄くキュンキュンした！でもそれに「それ言われたら、死んでもいいって返すんだよね。」って言った主人公に一瞬、戸惑ったわww作者さいこーww (2017年11月3日 22時) (レス) id: 3d31ebd9bc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - オトコトモダチが1番大好きで更新されるの楽しみにしてます！ (2017年11月3日 6時) (レス) id: 4dbcce6e2c (このIDを非表示/違反報告)
マル - ヤバイです！めちゃくちゃキュンキュンします！2人の関係性が羨ましすぎで夜中にキュンキュンしてしまいました(^_^)更新楽しみにしてます！ (2017年10月28日 2時) (レス) id: 9861427ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆乳 | 作成日時：2017年7月2日 20時
