サンジュウ! ページ31
後日、私は風の噂で、徹くんと紀子ちゃんが別れたと聞いた。
そして、徹くんは部活に復帰。
それからというもの、朝は毎日私のクラスに来て、
お昼ご飯は一緒に食べて、
前の生活へと戻っていった。
紀子ちゃんと別れた後の徹くんは、何か吹っ切れており、
ただただ、バレーへと打ち込んでいた。
少しずつ先輩たちの信頼を取り戻し、
ひたむきに努力をする徹くんを悪く言う人は、
徐々に少なくなっていた。
そして、私たちは2年生になった。
「かわいい1年生いねーかなー」
そう言いながら歩くのは花くん。
今年は花くんと同じクラスだった。
「徹くんみたいなこと言わないの」
「そういや、及川も彼女欲しいとは言わなくなったよなあ」
紀子ちゃんと別れてから、徹くんは恋愛に興味を持たなくなった。
紀子ちゃんとの経験を踏まえて、学習したのだろう。
しかしその反動か、及川ファンクラブというものが出来上がっていた。
「彼女いてくれた方が楽だけどなー」
「まあね。」
そんな会話をしているうちに、体育館へついた。
今日から新入生が仮入部に来る。
2年生が早めに向かって、準備をすることになっていた。
「「お疲れ様でーす」」
そう言って体育館に入り、準備を始めた。
新しい出会いに、私はワクワクしていた。
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作者名:とまと | 作成日時:2022年9月19日 1時