ニジュウロク! ページ27
私は必死に、徹くんを探した。
徹くんの声が聞こえた方から順番に部屋を覗いた。
岩泉も一緒に探してくれた。
「徹くん!!」
「及川!!!」
私と岩泉は、徹くんのいる部屋のドアを思いっきり開けた。
そこには、徹くんと、
あの日ギャラリーで見た女の子が一緒にいた。
「岩ちゃん…A…」
少し焦ったような表情で、私たちを見る徹くん。
その横で女の子は少し震えていた。
「徹くん、久しぶり…」
「え、あ、うん…久しぶり」
そう言った瞬間、岩泉が徹くんの腕を掴んだ。
「おい、クソ川!!!話を聞かせろ!!!!」
「岩泉…!待って!離してあげて…!
彼女ちゃんが困ってる!!」
そういうと、岩泉は彼女ちゃんの存在にやっと気づいて、すまんと言って手を離した。
「岩ちゃん、A。
俺からは何も言うことはないよ。」
少し寂しそうに笑うと、行こっと言って、彼女を連れ出ていった。
私と岩泉は、呆然としていた。
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作者名:とまと | 作成日時:2022年9月19日 1時