ジュウニ! ページ13
中学一年生の冬。
私は靭帯損傷という大怪我をした。
千鳥山中学校という強豪校で、新体制の中、私は唯一1年でレギュラーを勝ち取った。
それなのに、靭帯損傷…。
「A、悪いが、お前をレギュラーから外すぞ」
「…はい。」
靭帯損傷とは言っても、所詮怪我。
いつかは治る。
しかし、それを待っている間に、先輩や仲間たちは練習をしてどんどん上達する。
私は、ボール拾いやドリンク作りしかできなかった。
みんなを支えるマネージャーは必要だ。
だけど、私だってバレーがしたい。
好きなんだ、バレーが。
そう思うと悔しくて堪らなかった。
毎日毎日、みんなの練習を見て、
バレーがしたい、練習がしたいと思いながら、
マネージャー業に励んだ。
そんなある日、冬なのに少し暖かく、宮城県では珍しい雪の降らない日。
メンバー達は、ランニングへと駆けて行った。
私はスポドリと、暖かい飲み物を用意して、体育館のモップをかけて待っていた。
ふと、ボールが目に入った。
体が止まらなくて、
気づいたら、ボールを投げてジャンプサーブを打っていた。
「気持ちいい…」
その感覚が忘れられなくて、何度も何度もボールを打った。
ジャンプサーブなんてやった事がないから、何度もネットに引っかかってしまうけど、
コートの中にきちんと入るまで何度も何度も、ボールを打ち続けた。
その時だった。
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作者名:とまと | 作成日時:2022年9月19日 1時