【オリジナル】たいせつなひと

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卒業式が始まった







中学校も小学校と同様



卒業証書授与式と卒業セレモニーに分かれている








三年の後期になり、生徒会を引退した私は




学年委員会という、各クラス男女1名ずつ選ばれる委員会に所属した









いわば学級委員の集まりのようなものだ









相川先生の推薦で学年委員長に選ばれ、




卒業セレモニーに力をいれる方針で決まった









そのうちの一つが合唱だ









今まで、卒業生しか歌うことがなかったが、






全校合唱を取り入れたことにはじめ、








在校生との思い出のなかに、様々な曲を混ぜた









「卒業生代表、成河A」




「はい」









私は堂々と壇上に登った







目の前には校長先生ただ一人









噛まないように




聞き取りやすいように




一言一句を大切に




ゆっくり、はっきり話した









「卒業生代表 3年4組成河A」









降壇する時に、彼の顔が見えた






よかったよ




そう言いたげな笑顔で私を見ていた






だから私も、少しだけ微笑んだ









私たちが力を入れ作ったセレモニーは、




保護者の方々や、先生たちに好評だった









感動




それに加えた期待









これからの将来が楽しみになる





そんな卒業セレモニーでした









そう言ってもらえたことが




私たちにとってなによりの喜びだった

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