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11話,踏み出した一歩は ページ11

「ねえおはまー」

私がそう声を発した瞬間、南と阿佐ヶ谷がバッとこちらを勢いよく見て、
久々知くんはしまった、とでも言うような顔をして口を塞いでいた。

「どったの、A?」

久々知くんを庇うためにというか、尾浜を注意するために飛び出したはいいけど、この先何を言うか全く考えてなかった。
とりあえずこの雰囲気をぶち壊そう。あ、そうだ。


一番通路が狭い壁際にいる尾浜の腕を無理くり掴んで、広い通路へと連れ出す。
さぞかし私の行動が謎に見えているに違いない。尾浜も南と阿佐ヶ谷も、唖然としていた。


「あのさ、ケツ蹴っていい?」

「え? ダメに決まってるでしょ? まっ……嘘、本気? パンツ見えるよ?」
「いや今時スパッツ履かない女子なんて存在しないから。気を紛らわそうとしても無駄だよ?」


元はと言えば尾浜が久々知くんに絡みすぎなのが悪いんだよ。
しかも尾浜はわりと人と距離感保つの上手いから、絶対わざとだし余計タチが悪い。

「は……はははっ、おま、お前相変わらずだな。Aっ」
「やめてやれよ、お前のキック結構強烈なんだから、さ。ははっ、あはは……」


未だに久々知くんに怒られたのがショックなのか、南と阿佐ヶ谷の笑いは乾いている。

今更だけど彼らは私達の中学の友達だ。

……でも私南のケツなんか蹴ったっけか。南のご両親と彼女さんごめんなさい。
もし彼のケツが未だに青かったら私のせいかもしれません。


そして私が助走を付けようとした瞬間、チャイムが鳴って事態は一旦収束した。

12話.そしてはじまる独白→←10話,故意に触れた逆鱗



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小桜(プロフ) - 勘右衛門とくっつくと思ってたらまさか……! ハッピーエンドっぽいけど何か悲しい…? でもストーリー凄く良かったです! (2022年9月15日 18時) (レス) @page50 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺(プロフ) - でる太さん» いつまでも待ち続けます!頑張ってください! (2019年10月4日 2時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 竹林寺さん» 感想ありがとうございます!新作については気長に待っていてくださると嬉しいです! (2019年10月3日 7時) (レス) id: c96608a168 (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺(プロフ) - うおおおおおおお…切ない…何か勘右衛門可哀想になってきた…とっても面白かったです!新作ももしよければ作ってください!! (2019年10月3日 1時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 空さん» 感想&応援ありがとうございます!かっこいい尾浜を目指しているのでとても嬉しいです (2019年8月11日 6時) (レス) id: c96608a168 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でる太 | 作成日時:2019年7月16日 16時

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