キッドに挑戦状を叩き返したら叩き返された

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くどくどとお説教をされて三十分。

未成年だとか付き合った日にちが浅いだとか。怒りの沸点は様々で一番は、



「快斗くん。」

「はい…。」

「もしこのまま行為を行ったとして、間違って身ごもってしまえばAはどうなるか、貴方なら分かるでしょう。」

「はい。」



私の未来についてだ。

……不謹慎かもしれないけど、キッドの姿で怒られてるのが少し新鮮で可愛いわね。



「A、他人事じゃありませんよ。」

「はい…。」



気を抜いていた事、おばさまには見抜かれていた。



「奥様の仰る通りです。ですが私は、お嬢さんを愛してしまった。私も怪盗である前に一人の男です。お嬢さんの全てを私は愛したい。」



キザな台詞。

果たしてそれはキッドとしてこの場を収めるだけの言葉か、本心で言ってくれてるのかは今の彼からはとても窺えない。

後者だったらいいな、なんて…。



「わ、私は…、彼なら構いません……っ。」



ドキドキして、恥ずかしくて顔は上げられないけど本気で、そう思ってるからそっと、彼の袖を掴んだ。



「…Aが言うなら大丈夫なのでしょう。ただ、私は認めてはいませんわ。」



踵を返したおばさまは帰り際に、私に鈍器にも似た言葉を吐き捨てた。



「今度の土曜日、ある方と会食をしてもらいます。先日のパーティーで貴方の事を見初めたとの事です。欠席は許されません。」



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