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あれから毎日のように私の帰り道に待ち伏せしては、挑戦を受けろときゃんきゃん騒ぐ。そして結局は家まで送られる。
時に誰かに変装したりと本当に面倒くさい男。
どこが紳士だと疑いたくなる程に。
「何か私の顔に付いてますか?」
じとっとした目を向けても彼には通じない。
この整った顔もムカついて仕方ないと思ってしまう自分にもムカつく。
「別に、なんでもない。それよりこのトランプ、いい加減に返すわ。」
ポケットからキッドが私に残したハートのAを差し出せば、目を丸くし、その後にクスリと笑って、それはお譲りします、と返された。
「そして、これも。」
次に渡されたのはハートの2だった。
何か意味があって私に渡したのか、それとも、ただAの次は2だからってだけなのか。この男の考えていることが分からない。
はっきりと見えない顔は素顔なのかさえ。
「ねえ、そのモノクル外して。」
「…なりません。」
「それは、貴方の素顔…?」
「私は怪盗ですのでお答え出来ません。」
もうすぐで家に着く。
そしてキッドはいつも、膝をついて私の手を取ってキスを落とす。彼が私を送ると言い出した日から毎日だ。
「知っていますか。数字の2には二元論という意味があります。陰と陽。善と悪。ある物には反対も存在する。そして、私とお嬢さんも。
『怪盗』と『探偵』という二元論が。」
ふっ、と笑みを溢して姿を眩ました。
怪盗と探偵が二元論なんて、ただのこじつけに過ぎないのに、バカな怪盗さんね……。
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汎用うさぎ(プロフ) - 祟璃さん» 成る程…。参考にさせて頂きます!アドバイスありがとうございました! (2019年4月13日 21時) (レス) id: 8e53fc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
祟璃(プロフ) - いつお話が変わったんだろう...ということが所々ありました。場面の展開をもう少し細かくされればいいと思います...。 (2019年4月13日 20時) (レス) id: 53235c3c55 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56039号(プロフ) - とっても面白いです!!この作品は完結まで持って行ってください!!お願いします(>人<;) (2018年10月1日 23時) (レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2018年9月29日 8時