第四十二話 ページ43
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ある日突然、私を襲ったのが吐き気だった。
食欲もなく、水すら欲しくない。
「嬢ちゃん、どうした?顔色が悪いな。」
「あ…なんか、吐き気がして…。」
食欲は?水は?と心配してくれる阿伏兎さんに申し訳ないと思いながらも首を振る。
もしかしたら…と呟いた後、すぐに医療室に連れていかれ、簡単な質問に答えると、驚くべき答えが返ってきた。
「恐らく、お子さんがいるのでしょう。」
「え…。」
「やっぱり?俺ァ団長に伝えてくるわ。」
阿伏兎さんは医療室から出て神威にこの事を伝えに行った。
「これくらいだと、三ヶ月くらいですかね。ここは万全じゃないので一応、ちゃんとした産婦人科で診てもらうのをオススメします。」
「はあ…。」
どうしよう。
高級遊女だった私が、あろう事か子供を授かるなんて。
でも、ほんのちょっぴり嬉しいと思う。
この子は、疑う余地もない神威との子供だから。
「Aは!?」
バンッと開いたドアから顔を出したのは私の愛しい神威だった。
阿伏兎さんは?と尋ねるが仕事押し付けてきたと言う神威にいつもの事でしょ、と思った。
「体は?辛い?何かして欲しい事とか…。」
「え…。産んでもいいの?」
「何言ってんの。俺とAの子供だ。産むな、とかそんな事言えるわけないダロ。」
「ありがと…。」
神威の優しさに胸を打たれ、私はこの子を産む事に決意を固めた。
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ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時