第三十七話 ページ38
.
「ごめん。ずっと泣いて。」
「いいや。構わねェさ。」
シンスケが頭を撫で続けてくれて、少しは落ち着き、涙も止まった。
大きな手に、優しい言葉をかけてくれる。
「で?どうすんだ。地球に帰りてェならまた連れてってやるよ。」
「…うん。ありがとう。でもね、」
「Aっ!!」
ドアが開いて、私の名前を呼んだのは彼だった。
私と目が合うと、ズカズとこちらに歩み寄ってきて私の腕を掴む。
「シンスケ。」
「わァーったよ。今度こそ逃げられねェようにしっかり首輪でも付けとくんだな。」
シンスケはこの場から去り、ここにいるのは私と神威だけになった。
腕を掴まれる手に力がこもってるのが分かる。
逸らせないその青い瞳に、場違いだと分かっていても大きく心臓が跳ねる。
「地球に、帰りたい?」
「あ、それは…。」
私が神威のそばにいれば傷付けてしまう、そう思ったから言った言葉だった。
私は首を横に振る。
そして、私の気持ちを伝える。
「好きなの。神威が好き。嫌われてるって分かっても、それでもそばに居たい。」
「…離す気なんて、ない。」
熱のこもった神威の声はきっと気のせいじゃない。
「俺も、好きだよ。」
その後、唇に触れた懐かしい感触。
彼の顔が目の前にあるのも、さっき彼が発した言葉も全部、夢じゃない。
私は応えるように彼のキスを受け入れた。
.
260人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時