第二十六話 ページ27
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私が持っているお盆の上には私の手作りの料理が乗っているが、それを物珍しそうに見る神威。
「あの…神威?」
「地球のご飯…だよネ。」
「神威が、地球のご飯が美味しいって言ってたのを阿伏兎さんから聞いたから。」
好きな人の好きなものを作って、本人にあげるという行為はどうして、こうも恥ずかしく思えるんだろうか。
「ほ、ほら!私はここ唯一の地球人だし?」と慌ててさっき言った事に対して「そうだネ。」という返答を期待していたが、神威はあまりにも嬉しそうに微笑むもんだから、私はガキかと自嘲する。
「Aも一緒に食べようヨ。」
「え、遠慮しとくよ…。」
「俺に毒味役でもさせる気?」
「…わ、分かったわよ。」
箸を器用に使って、一口食べる神威をガン見。
飲み込んだ神威に「どうだった?」と聞いてみると、彼は私の口に料理を突っ込んだ。
「…わ、悪くはないかな。」
「もっと上達するよう期待しとくヨ。」
「精進します…。」
失敗作かな、と肩を落として落ち込んでいると神威は大して美味しくもない料理を平らげた。
その優しさに嬉しさが込み上げてくる。
「ありがとう。全部食べてくれて。」
「別に。他の奴にあげるのも癪だっただけ。」
言った後で、私からふい、と顔をそらす神威の耳はほんのり赤くなっていて、珍しい表情に私の心臓はドクンと脈打った。
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ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時