第二十四話 ページ25
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神威side
船の中を探し続けて三十分。
Aの姿が見当たらない。
「あ、阿伏兎〜。A、どこに連れてった?」
「よ、よォ団長。嬢ちゃんなら、トイレじゃねェかな。ほ、ほら!女の子は大変だから!」
「今日じゃないヨ。」
明らかに居場所を知ってそうな振る舞いに阿伏兎は冷や汗を垂らす。
俺はアンテナ(アホ毛)を揺らして、ダウジングマシンならぬダウジングアンテナでAの居場所を探る。
「食堂か。」
「え!?それで分かるの!?」
「じゃあ、阿伏兎。俺の仕事もよろしくネ。」
「ああ、いや。今、食堂に行かない方が…。」
阿伏兎の忠告を無視して食堂に行くとドアに貼られた貼り紙に目を向ける。
『立ち入り禁止。とくに神威!!入ってきたらアホ毛引っこ抜くから!!』と書かれていた。
「へ〜。俺に隠し事か…。」
俺は容赦無しにドアを開け、何かに集中しているAの後ろに立ち、言葉を発する。
「ねェ。俺だけ仲間外れ?」
「え、ちょ、何!?」
俺を視界に入れたAは、ハッとすると急に顔を真っ赤にさせて、俺を食堂から出ていかせるよう背中を押す。
「駄目!神威は入っちゃ駄目!」
「なんで?」
「それはっ…。」
「Aさ〜ん。食材、切り終えましたか?団長へのお礼だなんていらないですよ。あの人は戦場で生きる兎………だ、団長!?」
「ふむふむ。そういう事なら仕方ないナ。楽しみにしてるヨ、Aの料理。」
「あ、あげるなんて言ってないっ!」
耳まで赤くして必死に否定するA。
俺は笑顔を崩さず、もう一度「楽しみにしてる。」と言うとAは着物を掴んでつぶやいた。
「初めてだから、あんまり期待しないで…。」
そんな行動を取るAが凄く可愛く見えた。
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ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時