【銀魂】神威くん専用花魁

第十三話 ページ14

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私が吉原に戻って一週間が経ったある日、初めての休暇が出来た。

とは言ってもやる事は特になく、私はぶらりと吉原の街を歩いていた。




「月詠姉！早く！」

「晴太！月詠に迷惑かけるんじゃないよ。」

「分かってるよ、母ちゃん！」




月詠を引っ張ってどこかに行こうとする子供。

私は一人になった日輪に近づく。




「日輪。」

「え？…A？Aかい！？今まで何してたんだ！皆必死にお前を探して…。」

「ごめん。もう、どこにも行かないから。日輪の後は私が継ぐから日輪は新しい家族と幸せになって。それだけ。じゃあね。」




歩き出した私の後ろから、力強い日輪の声が聞こえ、私は足を止めて聞く。




「言っただろ。あの世界に入っちまえば後戻りは出来ないって。」

「そう？結構楽しいもんだね。私は日輪みたいになりたかったんだ。やっと、なれる。」

「A、お前…。」




日輪は何年も夜王鳳仙に閉じ込められてた。

その辛さに比べたら私なんてちっぽけなもんでしょ。せっかく家族が出来たのに、それを壊す事なんてない。


私は、日輪が必死に私を呼ぶ声を聞こえないフリをして人混みに紛れた。

やる事もなかった私は仕事に戻って客をとるように言うと、すぐに今日一人目の客が襖を開けた。




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