天使と謳われた青年【男主】

天使が五人 ページ6

──ディアンヌ side──




Aが眠ってる。それだけなら、良かったのに。……いつ、目を覚ますか分からないなんて一体誰が思ったのかな。




「──ねえA。ボクまだキミといっぱい話せてないよ？」





そう言っても、Aから返事なんて返ってこない。それどころか、眠っている姿さえもボクには綺麗に思えてくるんだ。





……ボク、女の子なのにAには勝てないって思っちゃう。





団長は、Aしか見ていない。Aだって、ああ見えて団長しか見えてないんだ。





いつも思うんだ。［ボクはAには勝てない］って。そりゃあ、ボクだって勝てる事はあるよ？ 力とかそんな面で。





でも、でも恋は……勝てない。




あの二人の間には、ボクなんかじゃ割って入れないようなそんな雰囲気があって、悔しいって思うけど……それよりも、応援したいって思っちゃうんだもん。





『ディアは、可愛いよ？』



『……ディア、無理しないでねぇ〜』



『おお、やっぱりディアは撫で心地が良いねぇ〜。ちっさくなったから尚更撫でやすいし〜♪』




……Aは、優しいんだ。だからボクは憎めないし、嫌いになんてなれない。なる気もないけど。





だから、団長も好きになったんだろうな〜、Aの事。団長は隠してるつもりだけど、バレバレだよ？




だってずっと見てたもん。好きだったし。だからこそ分かるんだ。分かっちゃうんだ。





……今はもう、他の人が好きなんだけど。だって思い出したから。




「……早く、起きないと盗られちゃうよ？ 団長が」





そんな声にも、やっぱりAは反応しなくて。ボクは零れそうだった涙を拭ってAの頭を撫でて、部屋を出た。





(Aの事は、ボク何も知らない)



(だけどいつか全部教えてくれることを信じて、ボクは今日もキミの目覚めを待つんだ)





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実は何気に団長を追い掛けてたディアンヌ好きでした。でもキングとディアンヌの関係も好きでアニメ見てむむむ……ってなってました。




颯季@占ツク民様より描いて頂きました。

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