女神と謳われた青年【男主】 (ページ30)

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女神が二十六人ページ30

そしていよいよ団長とバンの番
うげぇ……なんでよりにもよってあの2人が組み合わさる訳～？
絶対普通の喧嘩じゃないじゃんか……

そして僕の思った通り、普通の人間なら見えない様な速度で喧嘩を始める
…………団長達、七つの大罪って事隠す気あるのかな？
しかもバン魔力使っちゃってるし

『…………あ、この勝負の結果分かった。バンの負けだ」

「え？今の話聞いてた？団長はバンに［全反撃］できないんだよ？」

キングはなにを言っているのと言いたそうにそう言った
そんなキングをチラリと見て、僕は砂埃が舞っている舞台の方を見ながら言った

『確かに見た感じバンが勝ってるけど……バンの負けだよ。

さっきの一瞬で、バンは飛ばされたしね』

エリーは心配そうにしていたけど、舞台に立っている団長を見てホッとした様な表情をした
キング達は一瞬だけ見えた魔神化の姿に、真剣な表情をしている
あ～……そっか、ディア達は知らないもんね。団長が魔神族って事

そりゃあそんな真剣な表情になるよね……

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その後次の試合でディアと聖騎士の人間が闘い、ディアの勝利
そして今はおじいちゃんと団長が闘っているんだけど……

『……やっぱり、見間違えたんじゃなかった……』

僕は誰にも聞こえないような声の大きさで言う
おじいちゃんが中に着ていた服は16年前に僕と団長がいた国、ダナフォールの紋章がある服
おじいちゃんは怒っていた。何故団長が国を滅ぼしたのかと
何故、家族の様な存在だったリズを殺したのか。何故国の皆を裏切ったのか
そんな事を叫んでいた

僕はその言葉を聞いて、思わず手を握りしめ足元を見る
僕も同じだから。僕は止められたはずなのに止められなかった
僕が団長の暴走を止めれたら、国は滅ばなかったかもしれないのに
自然と手に力が入るのがわかる。そして何か暖かい感覚も

「って、ちょっとA、手に力入れすぎだよ。血が出てる」

キングは僕の手を掴み心配そうに言った
自分の手を見ると、爪が食い込んだのか血が出ている

『うわ、ほんとだ……。手当てしてくる』

丁度あの場を離れたかったし、怪我もしたから僕は店へと戻って行った