女神と謳われた青年【男主】 (ページ24)

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女神が二十人ページ24

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時は変わりもう今は夜
僕はバンと共同の部屋でただボーッとしていた

『……［忘れろ］、かぁ～。

そんなの、簡単に忘れられたら楽だよ……』

「何がだ？」

そう言ってにゅっと言いそうな感じで出てきた団長
声は普段通り。でもその表情はいつもよりも真剣だった

『うわっ、メリオダス……びっくりしたんだけど』

「忘れろって、どう言う事だ？

______クラートと、何話していた」

メリオダスはとっても真剣な表情で僕に問う
そんな表情をメリオダスが僕に対してするのを見るのは久し振りで思わず僕は微笑んでしまう

「……何がおかしいんだ？」

『いや、メリオダスがそんな表情をするのは久し振りだなぁって思ってさ。

昔なら考えられない位に離れていたのかもねぇ、僕達はさ』

そう言って僕はまた微笑んだ
______幼馴染の、メリオダスの辛そうな表情にも気付かないフリをして

side変更

［メリオダス］

そんな風にAが呼ぶのは必ずと言って良いほどにAに何かあった時だ
そしたら案の定、俺とAの昔の知り合い____クラートの事だった

彼奴は心配するなと言いたそうだったが、それでも俺は心配だった
Aの過去の事を知っているのは、七つの大罪の中で俺しかいないから
Aの負担を減らす事のできる人物は俺しかいないから
彼奴はいつも誰かを頼ろうとしないから

だから、俺は夜にAとバンの部屋を訪れた
そこにはAしかいなかった
Aは俺の存在に気付いてないのか、1人でボーッとしている

『……［忘れろ］、かぁ～。

そんなの、簡単に忘れられたら楽だよ……』

その言葉を聞いて俺は思わず話しかける
Aはびっくりした様に俺の方を向き、もう今では滅多に呼ばなくなった呼び方で俺の事を呼んだ
こいつが俺の名前を呼ぶ時、それは2人きりの時かそれとも、何か不安がある時

俺はいつにも増して真剣な顔付きでAに問う

「忘れろって、どう言う事だ？

______クラートと、何話していた」

そう聞いてもAはただ微笑み、
昔を____三千年程前の事を懐かしむ様な事を言う

普通なら俺もそうだなと言う所かもしれない
けど、俺はただAに対して辛そうな顔をするしかなかった

俺には、Aの事を幼い頃から知っている俺にはただ、
Aが今の状況から逃げている様にしか感じられなかったから____