情報屋【男主】

情報が四十 ページ41

「そ、それより！

なんで昨日と一人称が変わってるの？

昨日は[ぼく]だったでしょ？」



僕は自分の頬の熱に気付かないふりをして、昨日と違う一人称だったフェーヂャに質問する



「嗚呼、これは前に変えたんです。

一人称が[ぼく]よりも[私]の方がいい気がしたので」



へえ、だから一人称が私だったんだ……
僕はクスリと笑ってこう云った




「そうなんだね……てっきり僕はもっとなんか深い意味があると思ったんだけど」




なんだ、そんな事だったのか……
なんか気にしなくても良かったかも





「……そんな事より、何か食べませんか？

A最近忙しくて食べてないでしょうし」



僕は微笑み、ベットから出て立ち上がってあらかじめ置いていた服に着替え始める



「それはお互い様でしょ？

僕は［情報屋］として、フェーヂャは［死の家の鼠］の頭目として、［天人五衰］の構成員としてお互いすべき事があったのだから。

…………でも、それもここまでかな？」




『ここまで』と云ったタイミングと同時に置いていた服に着替え終わる
ふふふ、この服好きなんだよね。フェーヂャと同じ白色が入った服だから
とは云っても、殆ど昨日まで着ていた服と変わりない
変わったと云えば……今まで着ていた上着が白色になって丈が太ももよりも少し下くらいになって、靴が白いモコモコの付いていない、丈が足首より少し上位の丈で色がお揃いのブーツになったくらい



あ、後は髪留めが真っ白なふわふわしたシュシュになったのと、首からフェーヂャに貰った金色の指輪のペンダントが増えた
シュシュもペンダントも、フェーヂャから貰ったものだ




僕は嬉しそうにフェーヂャを見る
フェーヂャはくすりと笑い、僕の言葉に続ける様に云った



「ええ、Aは［情報屋］と云う一つの職業には就いているものの、今までとは違う」



「これから先起こる事に、僕は［情報屋］として今までの様に武装探偵社とポートマフィアに手を貸す事は無い」



僕等は交互に云う
まるでお互いの考えが一致しているかの様に




ごめんね? 諭吉君、林太郎君



僕は心の中で心にもない謝罪を二人の弟子の姿を思い浮かべながら思った
この時の僕の表情はきっと［あの時の様に］酷く冷たいものだっただろう

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