梵天の色情狂 【男主】

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必然的にAしか残らなかったため、仕方なくAは引き受けていたが、纏めの上手さ、声の心地良さ、誰も敵にしないその発言の仕方は、Aだからこその事だった。マイキーからも褒められて次も頼むと言われてしまえば、断る訳にもいかず、ほとんどの会議はAが担当し、それが定着していた。



「以上で、幹部会議終了です、お疲れ様でした｣
「…今日もありがとうA」
「はーい♡」


会議がおわれば、きゃっきゃと首領の項に小さくキスをして首領の首に手を回したA。


「人が変わるなオマエは」
「流石にこのテンションで会議出来ないでしょ｣
「ホントにお前同一人物か？」
｢さぁ｣


蘭との会話でわかる通りに本当に人が違うように一変するAだが、これもひとつの特技であり、梵天において欠かせない存在である理由の1つである。



「てかなんでAマイキーと一緒だったの？」
「んー？傘下にする会社の社長とホテルから出たら首領見つけたからそのまま一緒に来ただけ」


竜胆の質問にあるがまま喋るAに春千夜は顔を歪ました。


「ハァ？汚ねェ体でマイキーの横にいたのかよ…おい、行くぞ」
「え、」


マイキーの首にしがみついていたAの後ろ襟を引っ張り、ずるずると引っ張られ、会議室から出ていく2人に、会議室に残る幹部達は何事も無かったかのように資料を片付けていた。


「マイキーこの後は？」
「あー…部屋でちょっと寝る」
「了解」


「兄貴、この後どうすんの？」
「野暮用ができた」
「ふーん、なら俺も寝よっかな」


各それぞれそう言って解散をしていった。



＿＿＿＿

「春ちゃん」
「うるセェ」
「…わ、痛いって」

あのまま幹部に分け与えられている自室、春千夜の部屋に連れ込まれ、Aは背中を足で蹴られ風呂に放り込まれた。


大事な商売道具の体に傷が付いたらどうするんだ、と怒るAだったが、春千夜は愛情表現が死ぬほど下手くそなだけの人間である事を知っているし、蹴る力も対して強くない。あの人間にも優しさがあるのだ。


「春ちゃーん、」
「あ？」
「春ちゃんも入ろ、湯船貯めるから」
「却下」
「えー…」


そうそうに脱衣所から出ていった春千夜にそう呼びかけるが、却下されてしまった。


「誰が野郎と風呂入るかよ」
「その野郎の穴に突っ込んでるの誰」
「黙れ｣


渋々とシャワーを浴びて、湯船を貯めたAは、ちゃぷりと音を立てて湯船に浸かって、はーと息をついた。

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