夢�� ページ8
Side 竜胆
「ど？Aちゃん」
「…苦しんでる」
「…そう。最近ずっとだな。寝れてねぇから起こすのもかわいそうだし」
ここへ来てすぐ
Aは眠るときうなされるようになった。
基本、この部屋は幹部しか使わねぇし
よっぽどのことがない限り、この部屋で一人ぼっちになることもない。
「俺もちょっと休んできていい？」
「おー、仲良く3人で寝ようぜ」
「…兄ちゃん仕事は？」
「Aちゃん優先」
ソファで丸まるAを抱きかかえて、仮眠室へ向かう
真ん中にA、両隣を俺と兄ちゃんで挟んで声をかけて
「A、」
「……ん、りん、どくん？」
「ただいま」
「…おかえりなさい。蘭ちゃんもおかえり」
「ただいま♡一緒に寝ような〜」
「ん…」
「目ェ閉じて、いつもの」
「うん」
目を閉じたAをそっと抱きしめる
胸の中で深く深呼吸をするのを感じて、頭をゆっくりなでる
知ってる匂いだったら安心してよく眠れるんじゃねぇかな、って
最近じゃいつもやってるルーティンみたいなもの。
「そのままヒツジでも数えてろなぁ」
兄ちゃんは赤ん坊あやすみたいに、ポンポンとリズムよく触れる
次第に深くなる呼吸
そこにさっきまでの苦しさはみえなくて、安堵する
…でも、ずっとは続かねぇんだよな。しばらくしたらまた顔を歪めるから。
「…やっぱ殺す？」
「…」
Aがこうなったのには理由があって
「骨折って爪はがして根性焼きじゃ足りなかったんじゃね？」
「…今月構成員殺しすぎだ、って。九井が言ってた」
「仕方なくね？名前も覚えてねぇ構成員なんざどうでもいいじゃーん」
それは、Aがここへ来た次の日の夜。
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作者名：san | 作成日時：2021年11月28日 17時
