二日目の放課後 ページ11
一緒に帰ることになった、私と爆豪くん。
校門で待っているのだが、少し遅い気がする。
ちゃんと校門で待っている、と食堂の分かれ道で伝えたはずだ。もしかしたら、授業か何かで遅れているのかもしれない。
.
そして、暫く待った後、爆豪くんが無言でやって来た。
よくよく見ると、目が少し腫れていて赤い。
眉間の皺も一層深い。不機嫌なのは明らか!なんだなんだ、爆豪くん!二日連続で!
「あのぉ、爆豪さん。どうしたのですか」
思わず出会った当初のように敬語になる。
入学して二日間で、爆豪くんには沢山のイベントが起きていると見た!昨日はイライラとしたまま私の家に来て、今日は泣いている。
────ていうか、泣いてる爆豪くんなんて初めてじゃないか!?
不謹慎なのは分かっているけど、泣いている爆豪くんが珍しすぎて少し興奮している。
そんな不謹慎な私の心を読み取ったのか、爆豪くんはズンズンと私との距離を縮め、私の目と鼻の先まで来た。
この近さで爆破されたら危ない。
確実に死ぬ。死ぬまでなくても気絶する。
それだけは勘弁!
10cm程度身長の違う私達はそれほど身長差はなく、近くにこられると思ったより顔が近くて恥ずかしい。
「あの……爆豪くん、どうし……」
言葉を言い終わる前に、体が前方に揺れた。
両肩を、爆豪くんの腕で引かれたのだ。
そして、前方に揺れた私の体は爆豪くんの体でキャッチ。
簡潔にいうと、爆豪くんに抱き締められている。
「…………」
「…………」
────ン!?!?!
抱き締められている!?
突然のことに頭が追いつかず、ただただ困惑するばかりである。
ただ分かるのは、爆豪くんの吐息が近くで聞こえ、微かに耳に当たり、汗の匂いも、柔軟剤の香りもわかってしまうことだけ。
うわ、服いい匂いだ。など余計なことまで考えてしまう。
「えっ、いや、え!?なに!?なんですか!?」
困惑して、新手の攻撃かとかドッキリだとか色々考える。かなり大きな声で呼びかけてみたが、彼はウンともスンとも言わない。
普段なら「うるっせぇわ!」とか言ってくるのに。
────いや……考えるな、感じろ?
どこかで聞いた名言通り、考えることをやめ感じることにした(いわゆる現実逃避である)。
その後、10秒ほど私を抱きしめた彼は何事もなかったかのように「帰るぞ」と言ってすたすた歩き始めた。
いや、どういうことなの。
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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時