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『わぁ…っ!!!』
初めて見るパーティー会場。
美味しそうなものが沢山あるし、豪華な椅子やテーブルもある。
会場に沢山いる人達は見るからに高そうな風を着ている。
『…あんなドレス、着てみたいなぁ』
…そういえば、私の出身はどうなんだろう。
平民?貴族?…もしかして、王族だったり。
そんなわけないか!と思いながら、見失いかけていたロボロさんを見つけてついて行く。
「…グルッペンとトントンどこ行ってん…。…迷子なんか?俺」
『ふふ、迷子…っ』
「…まぁあいつらの近くおらん方がええよな。絶対めんどいもん」
『まぁトントンさんがいざと言う時はグルッペンさんの事守るでしょうし、大丈夫ですよ!』
…なんて、ね。
でも、久しぶりにこんな感じで話した。やっぱり楽しいなぁ…。
返事は無いけど、話してる気分になる。
…そろそろ一言くらい、返事くれてもいいのにな。
「……あ、これ美味そう。食べてもええん…よな?」
ロボロさんは不安そうに料理を皿に盛り、一口食べた。
「美味いやん…。」
『…いいなぁ』
「…でも、いつもみたいに好きなだけ食べたら周りの目がなぁ…」
…あ、たしかに。
そういえばロボロさんはよく食べてたな、なんて監視カメラを見るのを任されていた頃を思い出す。
パーティーなんかの場だと、好きなだけ、とか食べにくいよね、たしかに。
その後もロボロさんが少しずつ料理を食べているのを眺めていると、急に辺りが暗くなった。
ざわざわと人の話し声がする。
ロボロさんは気にせず食べているから、そういう演出…なのかな?
知らない人達が話しているのを盗み聞きすると、どうやら第二皇女さんが出てくるらしい。
「皆様はじめまして。ヴィルア国第二皇女、A・ヴィルアです」
ロボロさんがフォークを皿に落としたのか、金属がぶつかる音がした。
…どうして
『私が、いる…?』

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零音(プロフ) - ゆずゆさん» 泣いていただけたんですか…?!ありがとうございます…!! (1月19日 23時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
ゆずゆ(プロフ) - 泣いちゃったじゃねぇですかぁ……面白いです。完結おめでとうございます (1月19日 2時) (レス) id: 6e2976f246 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - ぺ助さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!どんどん妄想膨らませちゃって下さい…!! (1月15日 15時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - まっくろさん» ありがとうございます!! (1月15日 15時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - ぽむさん» 初めて…!?ありがとうございます!続きを検討しておきますね…!! (1月15日 15時) (レス) id: ac8575b88f (このIDを非表示/違反報告)
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