もう一人の六年は組は、あたし 参

第百九話 ページ15

〜カナside〜

氷上「よし、手当て終わり。もう帰っていいが、少し休んでから帰れ。だが、あんまり長居されても困る。じゃあな。」

まぁ、すぐに返してしまうと伊作や乱太郎が怒るだろうしな。二人だけじゃなくて、保健委員会全員に怒られそうな気もしなくは無いが…

だから、少し休ませてやる事にした。そして、あたしは持ち場に戻ることにした。


兵「ﾌｯ、優しいんだか厳しいんだか、どっちなんだよ…」

と、兵は彼女が去った後にそう呟いた。




氷上「早く戻らないと…」

あたしは、兵の手当てを終えて走って自分の持ち場へと戻っていた。今の戦況はどうなっているんだろうか。

お堂からは何も聞こえなかったから、今攻撃や攻防は止まっているのか？どうなんだろう…



土井「あ、カナ！今すぐ蛸壺の中に入れ、危ないぞ！」

氷上「え、危ない？」

どういう事だ？あたしはさっきまでこの場にいなかったから、誰かこの状況を説明してくれ。

照星「敵が森の方に回って、逆茂木に火をつけたんだ。あそこは水を被ってないから燃えると言っているのに、先生方は大丈夫だと言うんだが…」

あぁ、そういう事か。危ないぞという事は…なら、あたしは先生の指示に従って、蛸壺の中に入ろう。

氷上「あぁ、そういう事ですか。なら、逆茂木に火をつけられてもなんの問題も無いはずですよ。だって…」

蛸壺に入ったあたしは、そう言って兵太夫達がいる方を見た。説明は、こいつらにさせようと思ってさ。だって、これを考えたのは兵太夫と三治郎だからな。

福富「逆転を弱点にね。」

加藤/皆本「弱点を逆転。」

しんベヱのは間違いで、正解は団蔵と金吾の方だ。確かに、弱点は工夫すれば逆点することだって出来るが、あれはどういう仕組みになっているんだ？









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