☆6ページ☆ 人の世は… 【走れメロス】 ページ8
「太宰さん！太宰さん！お願い、目を覚まして！」
Aは自分を庇って倒れた太宰をギュッと抱きしめた。
そんな姿を芥川は。
「フフ、菫の君…安心して作者は自分の本の中で死ぬ事はないから。」
『そ、そうなんだ。
で、でも、怪我をしたら痛いんでしょ？
其れって、ある意味で死ぬより辛い事じゃ…』
Aの言葉に芥川は目を見開いた。
「ずっと思ってたけど、君は生と死に関して随分と悟っているんだね。不思議な位に。」
『え…まあ、私のパートナーが境界を管理してて…私も目的の為に其れを手伝っているから、多分その際だと…』
「へぇ、其れは興味深いね。
因みにそのパートナーって、一体どんな人物なんだい？」
『ん…分かりやすく言うと、面倒事が嫌いで、根暗で、他人の秘密を知りたがる。ドSかな。』
「君、随分苦労しているね。」
『でも、本当は、優しくて、面倒見が良くて。
生徒が困った時にはその知恵で助けてくれる。』
実際、土籠先生は私の祖父が誰なのか、何だかんだ言って、一緒に手伝ってくれている。
私にとって、土籠先生は…
『例えるなら…彼は私にとって、地獄に垂れ落ちた一筋の蜘蛛の糸なんです。』
「君は…好きなのかい？その蜘蛛の糸が？」
其れが土籠を指しているのか？
はたまた、作品に対してなのか…
意図は良く分からなかった。
でも、Aは自分の心のままに気持ちを口にした。
『そうですね…好きですよ。
先生もあの作品も、何方もなくなってしまったら…私は生きていながら地獄を見てしまうのかもしれません。
芥川龍之介の言葉を借りるのならば其れこそ"人の世こそが正に地獄より地獄的だ"と言うのですかね。』
本人を前にこう言うのもあれだけど…
でも、何故か私は彼に言わなければならない…そんな気がした。
「本当に君は、面白い人だね。
(君と居れば、退屈しないで済みそうだ。
少し羨ましいな…君と共に居られる人物は。)」
『そうですか？私はただの変人ですよ。』
芥川はその言葉に目を丸くした。
その時…
「やっと、見つけたぞ！クソガキ！」
と、良く知っている人物に首根っこを引っ張られたのだった。
☆7ページ☆ 貴方という… 【走れメロス】→←☆5ページ☆ 侵食者と潜書者【走れメロス】
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なのは(プロフ) - 更新楽しみです！ (2020年7月3日 3時) (
レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！pixivとこの作品は重なる様に書いて居ますので好みによって違うかも知れません。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - pixivでも見てます！更新頑張ってください！（私も小説頑張ります） (2020年5月25日 14時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
夢 - がんばれがんばれ(語彙力) (2020年5月25日 10時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
べっこうあめ - 初コメ失礼します! めっちゃ面白いです！作ってくれてありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 8時) (レス) id: 036a34d0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年4月18日 3時
