☆15ページ☆ 生成【桜の森の満開の下編】 ページ18
その頃、満開の桜の森では…
「芥川先生…この恐ろしい女は一体何なんでしょう？」
「恐らく、生きながら鬼へと変わる者…生成だと思うよ。」
芥川が女を一瞥すると、太宰は不思議そうな表情で。
「生成って…確か、能面の種類の一種だった様なぁ？」
「そう、平安時代は帝の寵愛を巡って様々な愛憎劇が繰り広げられた。」
「怖！じゃあ、この女の妙な妖術？なのか、その際で安吾が？」
アワアワと顔を真っ青にさせている太宰を気にせず言葉を続けた。
「僕も平安時代を調べた時に使おうと思ってた題材だ。
この女は、恐らくその自慢の美しさで帝に取り入ろうとしたんだろう。
だが、悪趣味極まる本性を見抜かれた。」
ﾋﾟｸ
女の肩が一瞬震えたが二人は気がつく事なく続ける。
「恐らく、彼女は共の者に連れられて神域にお払いに遣られる予定だったんだろう。
だが…その道中で山賊に襲われた。」
その言葉と共に女の顔は生成から鬼へと変わった。
「ふ、あはは！
そうさ、あの腕だけが良くて、あんな桜の小娘に対して愛欲を遊ばせていた、あの純粋な男を操ってやったのさ！」
「ありゃりゃ、やっぱりこの女が侵食者か！」
二人は武器を構え、鬼….侵食者に攻撃を仕掛けるが次々とかわされる。
「だが、あの小娘があの男に余計な言霊を授けたせいで…嗚呼、忌々しい！」
呪いの言葉を紡ぐその姿に芥川は。
「君は醜いね。他人の幸せを妬む事しか出来ないのだから。」
「黙れ！」
その時、桜吹雪が巻き起こり、収まるとそこには。
『黙るのは貴女です！』
桜色の髪を靡かせた桜下の姿をあった。
「あ、あんたは！どうして此処に！
あの場所から離れられない筈じゃ！」
『ええ、その通りよ。
でも、私は彼の…彼等の残した心を守る為に此処に居るのです。』
「アハハ、馬鹿な子だね。
アンタは桜の化身、長く本体から離れればお前は死ぬんだ！」
耳が痛い程の高い声で話す鬼女に対し、Aは。
『構いません、其れで彼が孤独から…この世界から抜け出せるなら、私は喜んで地獄に堕ちましょう。
もう…彼に私は必要ないのですから。』
彼女の決意は周りの空気を震わせる。
すると、彼女の背後から…
ｷﾞｭ
『へ、炳五？』
「駄目だ！俺はお前を失いたくない！
お願いだ、桜下…俺を
先程辿り着いたばかりの彼は子供の様に震えていた。
そう、まるで母親に甘えたい子供だ。
『炳五…大丈夫、貴方はもう孤独ではないわ。
さぁ、貴方の手で物語を…ッ！』
言葉を紡ごうとした最中、私の胸は鬼女の爪に貫かれていた。
☆16ページ☆ ある少年との出会い【桜の森の満開の下編】→←☆14ページ☆ 選ばれた者 【桜の森の満開の下編】
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なのは(プロフ) - 更新楽しみです！ (2020年7月3日 3時) (
レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！pixivとこの作品は重なる様に書いて居ますので好みによって違うかも知れません。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - pixivでも見てます！更新頑張ってください！（私も小説頑張ります） (2020年5月25日 14時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
夢 - がんばれがんばれ(語彙力) (2020年5月25日 10時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
べっこうあめ - 初コメ失礼します! めっちゃ面白いです！作ってくれてありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 8時) (レス) id: 036a34d0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年4月18日 3時
