星に願いを

タメ口チャラ男 ページ2

私は合コンが嫌いだ。

合コンに来る男ってチャラいし、ナルシストだし、
馴れ馴れしいし……って言い出したらキリがないや。



｢…です。どうぞよろしく笑｣



一通り自己紹介して、ご飯食べて適当なタイミングで帰ろーっと。



なーんて思っていた。



〈僕実はアニメとかめっちゃ好きで〜〉



〈えっ、私もです〜♡〉



時間が経つにつれて私以外のみんなは何とか打ち解けて、趣味の話とかで盛り上がって、そろそろ居心地が悪くなってきた。



｢ちょっと私トイレに…｣



そう言って酔い醒ましがてら店の外に出た。



｢ふぅ……｣



疲れた。



やっぱり嫌いだ、合コン。



居酒屋の外のベンチに座って、そんなことをあれこれ考えてたら、戻るのも面倒くさくなってきてしまった。



すると店のドアが開いて、1人の男性が出てきた。




『あれっ？Aさん、ですよね？』




さっきあとから来て目の前に座った人だった。



てか、もう名前覚えられてる、？



｢はい、あのー、｣



『北山です笑』



｢あぁ、北山さん。すみません笑 覚えてなかったわけじゃ…｣



『ふふっ笑 いいよ、気使わなくて笑』



え、タメ口？



『あ、ごめん。年齢言うの忘れてたけど俺1985年ラインだし、同い年だよね？』



あ、そうだったんだ。
同い年か。


｢はい、｣


うわー。
こういうの無理。


さっきまで敬語使ってた人に急にタメで話すのとか苦手すぎて私にはできん、、。


まさか要求してこない…よね？


『じゃ、タメで笑』


はい、来ました予想通り。


｢タメで…｣


『Aさんは、あ、Aって呼んでいい？』

そこは許可とるんだ。笑

｢お好きなように笑｣

『じゃ、俺の名前もお好きなよーに笑』

うわうわうわ、1番困るやつじゃん。


｢……｣


『……』

え、沈黙？


『ふはっ笑 帰りたいんでしょ？』

｢へ？｣

『めちゃくちゃ帰りたいって顔に書いてある笑』

｢へへっ笑 私って全部顔に出ちゃうから笑｣

『実は俺もなんすよ』

｢え？｣


『元々藤ヶ谷っていう俺の友達が来るはずが、今日俺が代理で来ることになってさ笑』

｢そうだったんだ、｣


『俺チャラく見えるかも知んないけど、合コンとかは苦手でさ笑』


｢全然そんな風には見えないのに？笑｣


もしかしたらこの人、話し合うのかも。


『さ、じゃあそろそろ戻っか！Aトイレ長すぎ疑惑出るんじゃね？笑』


｢確かに笑｣


あれ、そう言えば私自然とタメ口で話せてる…。

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