弐拾壱 ページ22
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微かに頷くおおくりから。
「……なら、今のうちにお風呂にでも行きますか」
「…………はい!?
何をお考えですかあなたは!!」
キャンキャンとこんのすけの声が響く。
まぁ……確かに唐突な申し出だったかもしれない。とはいえ、とはいえだ。
「ではお狐さん、あなたはこんな汚い姿のまま彼を放置しろと?」
そう、彼の姿は凄かった。
身体中、なんというか凄かった。
私としては一刻も早く風呂に放り込み、綺麗になっていただきたかったのだが。
「……だが、俺は何も見えてない。
あとアンタは知らないかもしれないが、浴場は使えたもんじゃないぞ」
私とこんのすけとの会話では平行線を辿るだけだと早々に勘づいたのか、ここにきて初めて口を開くおおくりから。
あぁ、そうか。彼は……いや長谷部以外の者達は浴場が使えるようになったことを知らないのか。
明日にでも、長谷部を経由して全員に伝えておく必要がありそうだな。
あとは目か、まぁ私が担げば問題ないだろう。ちゃんと父の教え通り体は鍛えているし、彼くらいの体格なら…………恐らく上げられるだろう。
「心配いりません。
浴場は先程、長谷部さんと掃除を済ませました。
あとは……私があなたの目になります。
それで問題ないでしょう?」
そのまま失礼します、と彼の体に手を回して担ぎあげる。今の言い方は一見すればプロポーズのような含みを持っていたが……まぁ人間でない彼にその微妙なニュアンスは伝わらないと信じて知らん顔をすることにした。
彼の体はやはり、上げられないことは無かった。だがやはり彼らは刀だというのは本当らしく、何ともいえない重量もあった。
「……ッ、おい」
目が見えないことで不安なのか、腕の中で少し身をよじるおおくりから。
落としそうになるからやめてほしいところだが……まぁ私だって、目隠しされて担がれたら恐怖心はあるから、気持ちは分かる。
「少し大人しくしていて下さい。
あとこんのすけさん、あなたは私の竹刀を持って着いてきてください。
では、参りますよ。落とすつもりは無いですが、一応掴まっていてください」
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朔夜(プロフ) - あみあみさん» 今週もコメントありがとうごさいます!来週テストですか・・・頑張って下さい!私もそろそろ学校が始まるので更新ペースが・・・頑張りますね・・・これからもよろしくお願いします! (2017年9月16日 13時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
あみあみ(プロフ) - ついに続編かーーー 来週楽しみダーーー あっ、来週私学校のテストダ・・・ よし、この小説を読むためにテストがんばりまーーーーす (2017年9月16日 12時) (レス) id: 3f689df719 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - あみあみさん» コメントありがとうございます!どうも今回、更新日時表示が途中までオフだったみたいで・・・私自身「何故!?」と思いながら何度も更新したので見にくかったと思います・・・すみません! (2017年9月10日 9時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
あみあみ(プロフ) - 更新されてからすぐに読みました 朔夜さんサイコーーーーーーー (2017年9月10日 2時) (レス) id: 3f689df719 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - ゆらさん» わざわざコメントありがとうございます!主人公は私も「こんな友達ほしいなぁ」と思いながら作ってるのでそう言っていただけて本当に嬉しいです!これからは忙しくなるので更新ペースは落ちそうですがどうかよろしくお願いします。 (2017年9月2日 23時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
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