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あまりのことに口を開くことすらできずにいる私を気にした風もなく、あざ笑うようにAが言う。
「さあ、行きましょう。次の任務まであまり時間もありません、急がなければ。とはいえ、ターゲットの居場所は把握していますからきっと間に合うでしょう。
…ほら、行きますよキール。あなたの弟さんを殺しに。瑛祐君、というんでしたか。彼が今いる場所までの道は案内しますから、早くエンジンをかけてくださっ───、」
限界だった。本来ならば正義の捜査官として、家族を切り捨ててでも大義のために尽くすというのが私の在るべき姿なのかもしれない。
でも、私にはできなかった。
ただでさえ、あの子からは私のせいで、大切な父親という存在を奪ってしまったのだ。その上、十分な保護もできないまま、長い間、孤独の中に置き去りにしてしまっている。
この上あの子から、あの子自身という存在までも奪うことなど、私にはできなかった。
ぐっ、とAの眉間に押し付けた銃を持つ手に力をこめる。意外にも早撃ちができるのか、彼の銃も私のこめかみを捉えていたけれど、そんなことはもう今更気にもならなかった。
「残念ね、A。せっかくNOCを見つける大手柄を立てたのに、すぐにご主人様に報告しなかったせいで、ここで私と心中することになるなんて」
「っ、ようやくNOCだと認める気になってくださったようで有難い限りです。が、逸らないでください。残念ですが、ここで俺を殺したらすべての情報はジンの知るところとなります。あなたの命と引き換えに俺を始末しても、あなたの弟さんは助からない。惨い死に方をすることになりますよ」
「嘘よ、脅しには乗らないわ」
「いいえ、本当です。俺が死ねば必ず、事情を知ったジンが動く。…もうお判りでしょう、俺は嘘をつかない。あなたの正体に関するこれまでの話の中にも、嘘はなかったはずです」
自分が死んだ後に、すべての情報が明かされるような仕組み。
一見難しそうに思われるそれは、しかし作ろうと思えば簡単に用意できることを私は知っていた。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - チャパさん» 嬉しすぎるお言葉、ありがとうございます！！マイペース更新にも関わらず追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです。これからもお気の向く限り、男主の人生にお付き合いいただけますと幸いです( * ･ᴗ･ ) (2023年2月26日 9時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
チャパ - 沢山の作品の中で作者様のジンが1番好きです。飽きやすいので見なくなる作品は多々あるのですが、ずっと飽きることなく読ませてもらってます。前々から思っていたのですがふと好きだなーという感情がわいてきたのでコメントさせていただきました。長々とすいません。 (2023年2月23日 21時) (レス) @page38 id: b567095a1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2022年6月19日 21時
