エピソード オブ : パッチ

8day : yellow ページ16

エースside








黄「 暗っ 」








昼頃眠りについて、起きれば21時過ぎ。


喉が渇いてフロアへと降りれば、誰もいないのか
小さな灯りすらついていない。
真っ暗なフロアを壁を頼りに進んで、手探りで電気をつければ
すっからかんの空間。




2階に向かって叫んでみても特に反応はない。

本間に誰もおらんのや。




コップに水を注いで、とりあえずみんなの部屋を一から回って
確認してみても、やっぱり誰もおらん。









黄「 ...んやねんあいつら 」








結局またフロアに戻ってきて、冷蔵庫からテキトーに取り出した
つまみと酒を持ってソファへ向かう。


俺だけおいてどっか行っとったらしばいたんねん絶対。


缶に入った発泡酒の蓋を開けて、一気に喉へと流し込む。


ペースも考えずにただただ目の前にある酒を飲み干していると
気付けばもう2缶。

あと一缶飲んだら寝よ。

冷蔵庫から新しくつまみになりそうなものを取り出して
缶を開けると、同時にホールの扉が開く。









「 お、エース起きてるやん 」


黄「 ....ｯあー！お前！どこ行っててん！！」


「 どこって、コンビニやん 」









口に入った酒を一気に飲み込んで、ウルへ問いただせば
俺のほうを不思議そうに見ている。



その手にはしっかりとコンビニの袋が握られていて
あいつが好きな菓子がいっぱいになって入っていた。

ずっと変わらん。
偏食をこじらせているあいつの買うもんは。









「 空きっ腹に酒？ あーあ、知らんで 」


黄「 ええやん、俺休みやし 」


「 エースはええかもしらんけど、みんなにだる絡みして
嫌がられて泣くん自分やで 」


黄「 誰が泣くねん 」









と、俺との会話もそこそこに慣れた手つきで冷蔵庫へと
物を詰め終わると自分の飲み物を用意して、そそくさと
2階へあがろうとするウル。



誰や、あいつをあんな冷たい奴にしたん。
俺の知っとるあいつは、いつも俺の後をついてきとったのに。
俺から離れんかったくせに。









黄「 なぁ、どこ行くねんて 」


「 部屋戻んの〜寒いしここ 」


黄「 お前も置いてくんか！ 」


「 ...えぇ、もうめんどくさいスイッチ入ってるやん。
しゃーないなぁ、部屋くる？ 」


黄「 はよ言えやっ 」


「 ありがとうって言われへんのアホエースは 」

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