【家政婦】空気のように (ページ22)

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sideりょう

ポロポロと涙を流すAちゃん。

こんなに嬉し涙流せる子っているんだなぁ。

り「よし、運ぶか！」

と「おう、そーだな」

部屋に入ると、俺らが使ってた臨時のベットとしばゆーの置物しかない空間に

ちょこんと段ボールが置いてあった。

それを机代わりに作業した痕跡もある。

と「…机買ってよかったわ、本当。」

り「それな。」

『…でも、結構作業できましたよ！』

段ボールをあげたとしみつに気を使ってか、焦りながらそう言うAちゃん

り「てか、この上で何してたの？」

『あぁ、ちょっと作りたいものがあって、完成しました。ﾆｺｯ』

そう言ってホワイトボードのようなものを見せるAちゃん。

り「何これ？」

『これは、ご飯いりますかボードです。
ご飯以外にも皆さんが私にやって欲しいこととか、気軽に伝えられるように作ってみました。』

と「なーるほど。あ！これ俺の顔？」

『ふふふ、そうです。皆さんの顔を描かせていただきました。』

と「へぇー！上手。」

ホワイトボードには、俺ら全員の顔のイラスト(いくとのもあるw)と、その下に朝昼晩の飯がいるかどうか書ける表、横にはフリースペースが作られている。

り「これは便利だね、ありがとうね！」

『いえいえ！とんでもないです。ﾆｺｯ』

り「俺ら机入れるから、Aちゃんみんなに見せてくれば？」

と「おお、そうだよ、見せてきな。」

『えっ、そんな至れり尽せり申し訳ないです…』

り「いいから！いいから！」

と「行ってきなさい！」

『は、はい！ありがとうございます！行かせていただきます！』

ホワイトボードを抱えてぺこぺこしながら部屋を出るAちゃん

り「やっぱ良い子だよなぁ。」

と「やることがいちいち可愛い。」

リビングからは、おお～っていう歓声のあと、

て「なんか虫さん美化されてね？？」

し「ぶーぶー」

虫「うるさいっAちゃんにはこう見えてるんだよ！でしょ？」

『はい、上手く描けました。』

ゆ「あ！いくとの顔もある！！」

て「何？！生意気なっ！このやろー！」

みんなの楽しそうな声が聞こえてくる。

り「Aちゃんきてよかったな。」

と「あぁ、本当に。これから楽しくなりそう。」