メヌエット 1 ページ17
(てつやside.)
俺のAへの想い、そろそろ終わりを迎えようかな。
そう、俺がAへ恋したのは高校1年生の放課後だった。
放課後、部活を終えて帰ろうとした時だった。
て 「あ、教室に財布置いてきちゃったな。。取りに帰るか。。」
り 「てつや、帰ろうぜ」
て 「ごめん!教室に財布置いてきちゃったみたいだから、先歩いてて」
て 「おっけー、先歩いてるな」
そして、急いで教室に戻った。
教室のドアを開けようとした瞬間、ある女の子が窓の方を見てフルートを吹いていたのだ。
て 「邪魔しちゃ悪いなぁ・・・でも財布・・・こっそり入るか」
そーっとドアを開けて入ると、その子は気づいて振り向いた。
「あ、ごめんなさい。うるさかったよね。」
俺は、さっきまで綺麗な音色を凛とした後ろ姿で吹いていたのに
ハッと我に帰って照れた様子を見せた彼女に一目惚れした。
て 「あっ、全然。俺忘れ物取りに来ただけだから、気にせず吹いてて」
「ごめんね、ありがとう。えっと・・・小柳津くんだよね?私の事わかる?」
て 「えっと、、確か、、佐藤さん!」
A 「ピンポーン。少ししか話した事なかったから、わからないかと思った」
て 「さすがにクラスメイトだしわかるって。今吹いてたのってフルートだよね?上手いね。部活でやってるの?」
A 「あぁ、フルートは小学生の時から。
部活でもやってるけど、こうやってたまに誰もいない教室で吹きたくって」
て 「そうなんだ、また聴かせてくれる?」
A 「もちろんっ。こんな私の下手な演奏で良ければ。」
て 「嬉しい。」
忘れ物を取って
て 「じゃあ、俺行くわ。また明日、じゃあね」
A 「じゃあね、気をつけてね」
教室を後にして、ドアの方からこっそり覗くと彼女はまたフルートを吹き始めた。
て 「かっこいいなぁ・・・でもあの表情、ドキドキしちゃったじゃん」
俺は心地よい音楽を背にして、りょう達が先に歩いてることを思い出し走り出した。
それからは、Aを目で追う事が増えながらも
たまに彼女のフルートを聴きに放課後わざと立ち寄ったりして
過ごしていくうちに段々とお話することも増えていった。
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作者名:ななみ。 | 作成日時:2020年7月22日 17時